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第14話




 フローレスの緊急会議が終わりこれからの活動目的が決まったのでギルドへ戻り具体的な内容を話し合う。


 「目的は決まったんだが、役割分担をそれぞれどうするか決めないか?」


 俺が話を切り出す。


 「うん、まずヴィーナス王国の神の使いリズベルが裏で糸を引いているのは間違いなさそうだね。だからまずはリズベルが送った刺客を捕らえる必要があるね」


 「あぁ、リールの言う通りその案に賛成だ。だから俺の無効化の能力が必要になるから俺はサポートにまわらせてもらう」


 ルイベルトの能力は拘束するには相性がいい。俺たちが相手にしている間に不意をついてくれればこちらも楽に立ち回れるからな。


 「じゃ私は今回はあまり役に立たなさそうだから拘束後に動き出そうかな」


 マリーナは調べた相手の潜在能力値が分かる能力だが、なぜそのような能力でフローレスに入ることができているのか、俺は少し興味が湧いた。


 「マリーナの能力ってどんなときに使えるんだ?」


 「そうだよね、私の能力を聞いたらあんまり役に立たないって思うよね。でもね私の能力って意外とすごいんだぞ!」


 説明しよう!とそのまま能力の使い方を教えてくれた。


 「潜在能力値を測るだけと思うけど、実は潜在能力を操作することもできるんだよ。例えば、カナトの潜在能力は測りきれないって言ったけどその潜在能力を測れるとこまで下げることができるんだよ」


 「それって下げられたら俺はどうなるんだ?」


 「そのままの意味だよ。潜在能力値が低くなればそれに比例して能力が使えなくなる。もっと簡単に言うと、カナトは時間を止める、戻す以外できなくなるってこと」


 「そして、その能力をあまり使わないのはデメリットが関係しているわけだな」


 「大正解!この能力のデメリットは2つ。1つ目は私自身の潜在能力値を超える人の潜在能力を上げ下げすることはできないこと、2つ目は潜在能力値を上げ下げすると私の視力が徐々に失われていくことだよ。でも1つ目のデメリット、私より高い潜在能力値を持った人は見たことないから無いみたいなものかな」


 つまり、俺の潜在能力はマリーナより低いということだ。測りきれないのに分かるものなんだな。それに視力が失われることは相当なデメリットと感じるが時間操作すればどうにかできそうだ。


 「そうか、じゃ視力が落ちないように時間を止めておくか?」


 「あぁ、それは無理だよ。時間を止めれば上げ下げできなくなるし、失われはじめたら治す方法は過去に戻るしかないからね。カナトは過去には干渉できないんでしょ?」


 「うん、だけど本当にいいのか?目を失うのは相当なものだぞ」


 「今は全然見えてるから大丈夫だよ。それに私の目が見えなくなる前にフローレスみんなで神の使い全員倒しちゃえば問題なし!」


 そうでしょ?といつも通りニッコリしている。


 「そうだな。この話し合いがそのための一歩だからな」


 当然マリーナの目が見えなくなっていることはどうにかするつもりでいる。いいことをする人間が苦を負う必要はもちろんない。それにマリーナの笑顔を見れなくなるのは嫌だからな。


 そうして今回初めてのフローレスとしての任務を、リール、ルイベルト、そして俺の3人で引き受けることになった。


 デルクは俺達のために強化された武器を作り、マリーナは捕らえたあとの人間から話を聞き出すための準備をするため俺達とは別行動になった。


 ちなみにマリーナの家の貴族は貴族の中でも上級だったらしく日々真面目を教え込まれ正しいことをしていく中で性格が曲がり、拷問が得意になったという。


 それにしても曲がり方すごすぎるだろ。よく親からよく躾けられてる人間は性癖が歪むとも言われるがこういうこともあるんだな。


 「リール、ルイベルト、まずはその貴族が襲われた場所に向かおう。何か手がかりがあるかもしれない」


 「分かった」


 「そうだな。行こう」


 「ここからだと結構かかるが歩いていくか?それとも馬車に乗るか?」


 「私は歩くのはあまり好きじゃないから馬車にしよう。疲れるのも嫌だから」


 「俺も馬車でいいぞ」


 「じゃ、目的地までいく馬車を探すか」


 「いや、騎士隊長の力を使えば一般の馬とは違う速さの馬が引く馬車に乗れるぞ」


 「そうなのか?さすがは元騎士隊長だな。最近は5連敗もしていたみたいだがな」


 友達とするような嫌味を言ってそりゃリールが相手だと勝てるわけ無いだろと反論をしてくるルイベルトに共感をする。


 ルイベルトの案内する方へ行き、馬車も借りることができたのでそれに乗り目的地へ出発する。


 特別な馬なだけあって、足音はうるさくなく、速く動くのに対してあまり揺らされない乗り心地に俺は意識を朧にしかけていた。


 「なぁカナト、お前がここに来る前の世界はどんなとこだったんだ?」


 あと少しで仮眠を取れそうなとこまでいっていたのにちょうどいいとこでルイベルトが話しかけてくる。さっきの仕返しだろうか。


 「んー簡単に言うと、この世界から能力をなくしたらほとんど同じかな。でも貴族とか王族とかそういったものはなくて科学技術とかがこの世界と格段に違うってとこだよ」


 「まだ全然若いのに今とこに来て不安じゃないのか?」


 「最初は不安だったよ。でも俺にはやることがあるって思ったら自然と不安はなくなってたし――。それよりお前も若そうじゃないか、何歳なんだよ」


 「俺は今年で21だな」


 「ええ!??俺よりも3つも上かよ。そうなふうには見えないけどな」


 「よく言われるよ。これでも6年前の15のときに優勝してるんだからな」


 そうだ、この世界は能力を持ってくるのが当たり前。俺のいた世界でいうと、15で東大首席合格といったとこだろうか。そう考えるととてつもない天才だ。


 「でも、リールも若いし女の子だろ?それなのに負けてるんだから威張れるものじゃないだろ」


 「言い返す言葉も見つからない」


 リールはいくつだろうか。見た目的にそこまで離れてはいないが年上なのは間違いないだろう。


 「私は能力が特別だからたまたまだよ。ちなみに今年で18のカナトより2個上の20だよ」


 「だろうな、まぁ年相応の見た目って感じだしな」


 「カナトは年下が好き?年上が好き?」


 「おいおい、いきなりなんだよ」


 「なんとなく気になっただけ」


 「年上が好きだけど、ってか普通にリールも知ってるだろ俺のこと」


 何の話だよ、俺も混ぜてくれよとルイベルトが気にしているようで話しを終わらせようとするが――。


 もちろん無理だった。


 「まぁね、全知って万能だからこういうとき詮索する必要ないから楽。カナトも私のこと好きなんだからこれが両想いってやつだね」


 「お前、本当にすごいよな、リールに好かれることがどれだけのことが知らないだろ?」


 「そりゃ知らないよ。ここに来てまだ2ヶ月ぐらいだぞ」


 「リールはフローレス以外じゃ興味を持たないと話してさえくれないんだぞ。他のやつからしたら羨ましいだろうよ」


 まぁ俺がどうこうできるはなしじゃないからな。


 「はぁ、そろそろつくからこの話しはまた今度な」


 目的地に向かうだけでなぜか精神的に疲れた気がする。ここからがここに来た意味だっていうのに。

 ここまで読んでいただきありがとうございます!


 少しでも面白い、続きが読みたいと思っていただきましたらブックマークと星1つでもお願いします!


 誤字脱字ありましたら、申し訳ありませんm(__)m

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