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第11話




 「なぁ、マリーナ気になったんだが、Sランクの依頼とかないのか?」


 こういうのってEDCBASってランクを刻むものじゃないのか?でもSランク表記の依頼は見たことがない。


 「あるけどSランクはほとんど護衛騎士が担当だからギルドとかに出回ることなんて稀なんだよ」


 「へぇ、やっぱそれほど難しいんだな」


 「そりゃ、貴族からの依頼だからね。他国へ行くときの護衛とか、領地侵入者を捕まえたりとか」


 「俺たちフローレスにもSランク依頼持ってきてくれてもいいのにな」


 他国に行けるとなるとそれは大きな収穫になるかもしれない。


 「忘れたの?私達は秘密組織。だから公には出れないんだよ」


 「そうだったな、あんまり実感ないから忘れかけるんだよな」


 それはだめでしょと笑うマリーナはやっぱりかわいい。


 「でも、裏で動くことは許されてるよ。だからルイベルトの言ってた依頼はSランクになるけど私達フローレスも動くことが許されてるの」


 「そうか、じゃ俺らはSランクを受けることはできないけどSランクには行けるってことか。めちゃくちゃすごいじゃんか」


 「そういうことだね、いつも動くのはリールとルイベルトだけど」


 そうだろう。マリーナとデルクはサポートでリールとルイベルトは主軸って感じだしな。そこに俺も加わってより一層厚みが増したんじゃないだろうか。


 「そうだ、そろそろリール来るんじゃない?」


 俺はこのあとリールに創作能力のやり方を教える約束があった。


 「もうそんな時間か、じゃまた後でな」


 マリーナに手を振り約束の場所に向かう。


 ついた場所はいつも夜ご飯を食べているとこだった。今日はもう日が暮れるし体を使うことでもないのでご飯を食べながらということになっていた。


 「報酬もらったら遅れた、ごめんな」


 「ううん、大丈夫。それよりお腹がすいた」


 「そうだな、まずはご飯を食べようか」


 店の中は女の子が好むような場所でもなく、何も意識してなかった俺は申し訳なく思う。


 「さっそくだけど、リールは呪文は口に出して唱えなくてもいいんだよな?」


 「うん、私もカナトと同じ頭の中で唱えるよ」


 なんで知っているか、それは覆面集団のアジトを壊滅させたときに一度見ているからだ。


 「それと、どうやってその能力は発動させてるんだ?」


 「【全知の能力】をどうやって使うかってこと?」


 「うん」


 「例えば、私が今から出てくる料理を知りたいと思えば自然と答えが出てくるの」


 「意識すればなんでも答えが出てくるのか。それはかなりいいかもな」


 つまり、分からないことがないということ。全く興味がないものを見ても少しでも意識すると答えが出てくる。


 「じゃそろそろやり方を教える」


 「うん、よろしく」


 「どんなことを能力で創作したいんだ?」


 「私もカナトみたいに時間を止めれるようにしたい」


 それならなんとかできそうだ。


 「分かった。じゃまず自分自身を想像するんだけど、そのとき人は自分本体を想像して自分を見るんだよ。だからまず想像してる自分を自分の目線、今リールが俺を見てるのと同じように想像をする。まずここまでやってみて」


 「分かった。やってみる」


 ここまでなら言われた通りに誰でもできるため俺は説明を続ける。


 「できたら、自分の体に向かって剣とか槍とか飛んでくるのを想像する。そしてその向かってくるものが体に当たる寸前で止まるようにするんだ。できた?」


 「うん、なんとなくだけどできた」


 「そしたらそれをそのまま想像しながら呪文を唱えるだけで付与されるよ」


 「――はい、やってみたけどどうかな?」


 「じゃこの箸で近づくと時間止まるかやってみよう」


 そうしてリールに箸を近づける。するときれいにそこから動かなくなった。


 「できたの?これできたの?!」


 「あぁ、成功だ。あとはこれを毎回想像するのは大変だろ?だから呪文の後にこの感覚を思い出すように言葉を繋げれば完全になる。シンプルに数字の1とかでもいいから思い出せるようにな」


 「じゃそうする。呪文の後に1って唱えれば思い出せそうだし」


 例えで言ったのをそのままとは、めんどくさがりか?でもよく考えれば喋るのが好きじゃないから早く終わらせるようにしてるとも捉えれる。


 「リールは喋るのが好きじゃないんだろ?でもなんで俺にはこんな喋ってくれるんだ?」


 リールはそんなの決まってるやろみたいな顔で見てくる。


 「それはカナトは私と一生を共にする人だから。簡単に言えば私がカナトのお嫁さんになるってこと」


 「は?」


 何を言ってるんだ?これは口ポカン案件だ。


 「なんだよそれ、冗談か?」


 「ううん、まじめだよ。まぁこれは私しか知らないし、【全知の能力】が決めた運命みたいなものだよ。でも実際カナトに一目惚れだけど」


 「おいおい、なんでそんな恥じらいもなく言えるんだよ。ちょっと困るじゃないか」


 「でも、聞いてきたのはカナトだし、嘘つく必要もないでしょ?」


 まぁそうだが、こうなるとは想像もしてなかった。


 これなら世界を救う想像だけじゃなくてこういう想像もしとけばよかった。


 「んまぁ、いろいろと分かった。とにかく創作能力のやり方教えたからな!覚えとくんだぞ」


 頭が混乱しかけてた俺はどこにでもいるザコキャラの逃げセリフみたいな言葉をリールに言ってご飯を胃に流し込む。


 「あ、ちなみにマリーナもカナトのこと大好きだよ」


 「ぶふっ!!!」


 いや、ご飯口から出てくるって、まじで。


 「いきなりなんでそんなことを言うんだ。マリーナも勝手に言われて可哀想じゃないか」


 「んーでもマリーナの性格なら問題無いと思う」


 確かにあの性格なら笑って許しそうだが、なんか、うん、言葉が出てこないな。


 「それを聞いた俺はどうすればいいんだよ。まったく」


 「いつも通りでいいんじゃないかな、意識しても無意識でも変わらないでしょ」


 「んーまぁ今は実感もないから良かったけどそういうのは神の使い倒してからにしろよな」


 「そうだね、でも言ってしまったことは仕方ないよ。ちなみに私はカナトと楽しそうに話すマリーナが羨ましい」


 「わかったから、リールともたくさん話しするから」


 ならいいとご飯を口に運ぶリールはやっぱり食べ方もクールだった。

 ここまで読んでいただきありがとうございます!


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