081 地下室
一方その頃、親衛隊のスピラは、連れ去った人々の様子を確認すべく、地下室へと移動していた。先程ネリゲールとすれ違った、デルッツも一緒だ。
「どうだい?調子は。……うーん、こりゃダメだなぁ。」
100人ほどいるだろうか。地下室へ入れられた大量の人々は、柱に括り付けられ、まるで何かの順番を待っているかのようだった。そしてデルッツが、1人ずつ様子を伺いながら、話しかけている。
「おぉ……こりゃあいい。今すぐにでもグラト・Dに連れて行きたいが……あぁ、興奮するなぁ……。」
「この変態が。こいつらはお前のモンじゃねえだろ。早く団長に殺させるか、戦闘で使えるようにしなきゃなんねえんだ。手伝ってくれよ。」
任務を放棄し、自らの興味のあるものを優先するデルッツだったが、すかさずスピラがそのピンク色の頭を叩く。
──その光景を、誰かが見ていた。
「聞きました?ルミオさん。今、殺させるって……。」
「あぁ、おかしい……。後から殺す奴をわざわざ綺麗な状態で連れ込むか?……一体どういうことなんだ……?」
今から2時間前──
「じゃあ確認だけど、3秒間触れ続けることで、その対象の存在感を消すことができる。敵目線では匂い、音、感触は感じ取ることができないけど、こちらから敵に触れるとそれは感知される。そして、解除されるまでは羅天術が使えない……これで合ってるかしら?」
「はい。ディープさん。ですので、消えた人が攻撃したり、敵と接触することはできません。あくまでも情報収集。これに徹した方がいいと思います。」
「そうね。なるべく多くの情報を集めたいから、記憶力の良いベイリーちゃんも連れて行きましょう。」
「わっ、私もですか?!」
「ええ、2人で宮殿内をくまなく捜索してちょうだい。それと……」
ディープが腕を組みながら、隣にいる見知らぬ老人の方を向く。
「アルバさん……でしたよね?何の用があってわざわざここに?」
ママクルでクロガネ達が立ち寄ったウリ・ベガドの民の長老、アルバが、モエと共にシュサ都に移動していた。なにやら用件があるらしい。
「お主らに渡したいモンがあってな。嬢ちゃん、さっきのを見せてやってくれ。」
アルバはモエに渡した2つの壺を見せるよう指示した。彼女はそれに従い、ディープらの目の前に差し出す。




