056 覚醒
「ヴィンテール……だと?…てことはお前、まさかあいつの……? 」
ゼロが咽せながらバールに問いかける。
「あぁ。……ボルトは俺の親父だ。」
相変わらず険しい表情のバールが一歩一歩近づいてくる。
「な、なぁ、悪かったよ。悪かったから、もうそんなに怒るのはやめようぜ?…ちゃんと謝るし。な? 」
ゼロの冗談が通じるわけがなかった。
「俺は……お前らを許せない……。」
彼は本気で起こっていた。その目は殺気立った虎のような目をしている。
バールは自身のパワーを青い電気のようなものに変化させた。そしてそれを全身に纏い、身体が小刻みに震えるような音を立てながら、ゼロに近づく。
「お前、な、なんだよ。それ……」
驚くゼロ。その瞬間に強い風が彼の髪をなびかせる。
すると突然ゼロの視界からバールが消えた。右だ。そう気づいた時にはもう遅かった。
「ぐっ……」
バールの拳がゼロに命中する。全身に電気を帯びたバールが逃げようとするゼロを襲う。目にも留まらぬ速さで指から電気を放ち、攻撃する。電撃を受けたゼロの身体は、動かなくなってしまった。
そのまま攻撃を続けるバール。すでにゼロは戦えない状態になっていたが、そこで攻撃を止めることは出来なかった。
「お前らだけは……絶対に殺さなきゃだめだ。」
他の敵兵のことなど彼の頭の中には無いだろう。とりあえず今は、父親を利用したゼロのことが許せなかった。
バールは座ったままのゼロの額に指を立て、そのまま多量の電気を放出する。
それは周囲の木や、岩をも巻き込んだ。
バールが気がついた頃には、すでにゼロは息絶えていた。




