034 羅天術
〜フメイ大陸〜
六槍師のディープ、トゲゾウ、そしてクロガネの受信機が一斉に鳴りだす。
「諸君、事態は一刻を争う。六槍師が中心となり、アカツキ義勇団の戦闘能力向上を目指すのじゃ。」
「どっからどう見ても親父だな……。」
クロガネが嫌そうな顔をする。
「戦闘能力向上。確かに、今のままではまた被害を出してしまうかもしれない。ロスクルド帝国が戦力を整えているなら、私たちも黙ってられないわ。」
ディープはやる気だ。
しかしトゲゾウが、
「やるったって、どうするんだ? 」
「そうね、まずはパワーの操作を完璧にしてもらって、そこから応用させていこうかしら。私とトゲゾウ、あとクロガネがメインになって指導するわ。」
クロガネはテツの息子ということもあって実力は本物だ。教えるには十分だろう。
「確かに、フメイ大陸はまだ未開拓の地が多い。誰にも迷惑をかけずに修行するならうってつけとも言えるな。」
トゲゾウが感心する。
「それからハヤト。」
「えっボク? 」
急にディープに名前を呼ばれ、たじろぐハヤト。
「あなたのことはサンダースから聞いているわ。かなりの腕前らしいわね。ってことで急だけど、バールに羅天術をマスターさせてちょうだい。」
バールは話についていけず、不思議そうな顔をしている。
「羅天術? 」
羅天術。拳にパワーを乗せたり刀に冷気を纏ったりするものは、羅天術と呼ばれるものらしい。
古くから争いに用いられてきたこの術は、世界中どの国でも兵士は身につけなければならない力となっている。
ハヤトは14歳ながらこの術を完全に体得していたのだ。
「私が教えるべきなんだろうけど、他にやる事あるし、何より怪我させたくないのよねぇ。」
バールはディープとの修行を思い出した。
「あれは痛かった……。」
「わかりました。でもボクも能力を磨きたいので、その時は皆さん、よろしくお願いします。」
ハヤトも指導側につくことが決まったようだ。
「決まりね。近くに今は使われていない宿があるわ。そこに皆で寝泊まりして、自分たちを鍛えていきましょう。」
こうして、アカツキ義勇団の合同訓練が行われることが決まった。彼らはこの訓練の中で、どれほどの成長を見せるのだろうか。




