体裁だけは整ったのだけど・・・
この四篇は、長い長い時間の中で生まれました。ってか、書くことができなかったんですよね。
「生きること」
静かに語り掛けると
眼の中に動く影がある
長い時を経て、織り上げられた歴史の鎖の端に触れ
もう一方の端が揺れた
心の奥底にある遠い思い出が
心の深い片隅が
キラリと光る
友よ、人類という君よ
共通思念の場に立て
営々として築かれた記憶に
その確かな裏付けを求め
こころ素直にそれに従え
例えば幻想だとしても
日常という確かな支えらしきものに
縋りつき、にじり寄り
片目どころか両の眼を閉じて
歩きいく
それが見たこともない結果を
想像することもできないみらいを
目の前にすることになろうと
今あることを受け入れることが
これから先の世界を
信じることが
明日に繋がるのだろうから
「子供たちに」
今、生きている
二つの命には
のびのびと
弾んで、飛び上がり
そして、力を蓄え
その力を十分に燃焼させる
そんな生き方が
させてやりたい・・・
何度でも、やり直せば
取り返すことができることを
なんとしても、教えてあげたいのだ
たった一度間違っただけで
すべてをあきらめてしまわないために
「晩秋の公園での想い」
すべての物たちが静かに眠る冬に向かって
まだ一時の温もりがあると
一所懸命に瞳を凝らしている
そんな公園の
滑り台や
椅子や
ブランコや
ジャングルジムに囲まれて
ホッと
心の中から湧いて出た人恋しさが
何故か愛おしく思い
自分の影が引きずっている過去の
煌めきに似た事柄が浮かび来る
今日は、空気も澄み
冷たい空気も穏やかで
何事もなく過ぎる時は、静か
「ピエロたちへ贈る言葉」
飛び出して来てしまった
派手な衣装と化粧の男や女
大きな身振り、手ぶりで
通りをうろついている
知らぬふりをして通り過ぎれば
そっと忍び寄り
耳元で「わ!」ッと大声だ
そして、柔らかな笑い声を残して逃げていく
お帰りよ、舞台へ
見ていると悲しいだけの
人生という喜劇舞台へ
どんなに、どんなに
関係ない振りをしても
そこで生きているだけで
あなたは逃れられないのだから・・・
押し寄せる日常の中で、日々、刻々、過ぎていく時間をどうにもできず、眺める余裕もなかったんですよ。生きるって、オー大変!




