独りの世界の終焉
まるまるひと月悩みましたが、何とか自分の気持ちが落ち着きましたので、続けることになりました。これは創作です。改めてお断りしますが、リアルではありませんので、あまり深読みしないで、つらつらと表面を撫でるようにお楽しみくださいませ。
お前、しつこい、解ってるって、と、ご理解くださいませ、ネ!
「秋」
かつて、どこかに見出したことのある
幼い時の小さな宝石に似た
一時だけの満足が燃え尽きて
その燻りもようやく収まり
後に残るものが
ただ、空々しくなるばかりのような季節
その始まりさえも定かでなく
ある意味では人間臭く
すべての凋落し行く時
冬への旅立ちへと
忙しなく飛ぶ羽蟻たちの羽音だけが
耳の奥に空しく残っているばかり
秋・・・
もったいぶった大地の
いつも使う華々しさの陰に潜む
深々とした罠
ただひとつ感じ得ることは
無為へと誘う冬の囁き
「何故今ここで・・・」
荒い息使いの中に体を寄せ合って
お互いの懐深く潜り込んでも
なお物足りぬように
折しも午後の陽が傾きつつ
雲間からわずか光を落としては隠れ
冬の風の中の木々はじっと耐え続ける
部屋の中は小綺麗に整い
温められた空気は外の風を忘れさせ
厚いカーテンとその小さな窓からは
外の光と風と喧騒も漏れることもできずにいる
二人だけになりたかった
ずっと
ひとりだけで過ごしていた日々の中で
ふと忘れかけていた温もりが
いまわずかな時を惜しむかのように
体を触れさせている中を伝わる
思い出の中にあった時は、わずかな間、空を彷徨い
腰に回した腕の中に消え
後には空白と、わずかな悔恨が残る
暗い照明の下、波の音に続くわずかな溜息と
静けさの中、体を弄ばせつつ、呟く
あの日以来、気が狂ったのかも知れない・・・
あの日?
そう夏のまだ暑い盛りの
もう思い出したくもないあの日・・・
「悲しみはここから」
なに?
わからないよ
だめだよ
許してやらない
優しさがあるのだという
それにもまして離れられないとも言う
腐れ縁なのかしら・・・
死にたいわ・・・
神様が悪戯したのね
一緒にいたい・・・
ねえ、もう少しよ
感受性が強すぎるのよ
繊細過ぎるのよ
何故?
抱いて・・・
生きるのだという
もうどうなっても構やしないわ
寒くない?
朝から喧嘩してきたわ
ふふ、くすぐったい・・・
別なところへ行くと出てきたのよ
どうして?
そうねぇ、似て来ちゃうかしら
いいのよそれで・・・
泣いてなんかいないわ・・・
そう?
「苦い言い訳」
あなたって忘れっぽいの?
・・・そうでもないけど
でも、憶えているの?
・・・いや
まだ半年なのよあれから
・・・数えてみればそうなるかな
ボートにも乗ったのよ
・・・うん
私、ときどき思い出すのよ
いろいろな今までにあったことを
こんなこともあった、あんなことも
そして、あなたの言った言葉もよ
言われれば思いだすけど
はっきりは憶えていないよ
もう昨日のことも忘れちゃうから
私、全部覚えているわよ
しかたがないさ、忘れちゃうんだから
健忘症だから
そう? 嬉しかったことも?
ああ、みんなさ、過去いっさい・・・
おかしな人ね
私なら憶えてるわ、悲しいことも
なによ、ごまかすの?
くすぐったいわよ
何故?
何とか、無事に始まりました。非難、苦情、拘りは受け付けません。同情だけをください!一緒に泣いてくださる方、募集してます・・・ダメでしょうか。www