アダ名を決めよう
ここまで共通点がない初対面の3人が集まれば進めたい話も進まない。
このよく分からない状況で仲違いはいけない。これからどうなるかは分からないのだから。
「よし、名前問題を解決しよう」
最年長者として話を進める。
「じゃあ、自己紹介した順番で分かりやしいアダ名でもつけるとするか」
2人の前に立つ星月。
「改めて星月きららよ。私みたいな美少女に合う名前をつけてね!(ニコッ」
ハニカミながら前に立つ星月を目で考える。
普段なら絶対に接することのない女子高生。もとい、女子校生。なら、分かりやすいほうがいいだろう。
「じゃあ、俺からいくよ」
と清生が言う。
年齢が近いぶん、いいアダ名を付けるだろう。
「おばあちゃん」
「はい、ちょっと、こっちこようか」
清生を連れて離れる。
「おい、お前は何を言ってるんだ!」
「見たままを言っているのだけど、、、、分かりやすいだろ」
「この際お前の性癖は置いとくとして、俺みたいな一般人からしたら彼女みたいな学生をおばあちゃんと呼べない」
「常識に囚われてはいけない!」
「うるせぇ!それに見てみろ星月の顔を。あまりのショックでニコッと笑ったまま固まってるじゃねぇか」
「うーん、、、」
「分かったら、せめてオブラートに包んでくれ」
「はーい」
分かったらしく元の場所に戻る。
「はっ!何か嫌な言葉が聞こえた気がする」
「すまんすまん、改めて始めるからな」
清生の方を向く。
わかったよと呟きながら考える。
「、、、、、ぞうきん」
「おい、こら、こい」
清生を連れて離れる。
「理由は?」
「おばあちゃんよりも役に立つだろ?」
「うるせぇ!全国のおばあちゃんと星月に謝れ!」
「ごめんなさい」
「よし、そして星月を見てみろ。ショックで一筆書きで描けそうな顔になってるだろ」
「どうなってるんだよ、あいつの顔は」
「とにかく、もっといい感じのアダ名を付けてやってくれ」
分かったらしく、元いた場所に戻る。
「、、、シュールストレミング」
「お前もう黙れよ」
「世界一位だけど」
「臭さのな、もう星月が情報を処理しきれなくて夏場のアイスのように溶けてるぞ」
「だから、あいつの体はどうなってるんだよ」
結果、、、名前通り【キララ】に決定
「じゃあ、俺な。清生聖」
きよみひじり。
初見じゃ読めないような気がするな。
「どうする、キララ?」
先ほど決まったアダ名で呼ぶ。やはり、女の子を下の名前で呼ぶのはむず痒いな。
「ん?ロリコン野郎でいいんじゃない?」
「お前、さっきの根に持ってるの?」
「うんっ!」
いい笑顔だった。
「うーん、今の若い奴の感性が分からんからな。いや、俺も若いが」
「三十路は若くないよ」
「うるせぇ!29だ!」
ふむと腕を組み考えるきらら。その横で一緒に考えるが思い浮かばない。
「仕方ないなー。頭脳明晰な美少女の私がビシッと決めちゃうよ!」
うーん、と人差し指をデコに当てて眉間にシワを寄せる。
「よし!決まったわ。ひじりん!」
「「却下」」
「なんで⁉︎」
「俺がこいつにひじりんって呼んでいるのを想像してみろ」
「・・・・・・・、おっと、鼻血が」
「おい!」
「じゃあ、せい君」
「俺がこいつにせい君って呼んでいるのを想像してみろ」
「・・・・・・・、せい君が攻めか」
「おい、そこの変態!」
「でもでも、私の中ではせい君は受けには見えないのよ!」
「えーと、そこの2人?」
今まで黙っていた清生が口を挟む。
「せめ?うけ?って何?」
「「(こいつ、一般人か⁉︎)」」
話の流れ上キララが腐ってるのは分かったが、清生は違ったらしい。
、、、、、もちろん、俺も一般人だぞ!
「あと、俺は“せい”じゃなくて“ひじり”な」
「じゃあ、“せい”でいいじゃん」
「え?」
結果、、、名前通り【セイ】に決定
「最後な俺は」
「どさん」
「どさんね」
「土産英知!み、や、げ、え、い、ちだ!」
結果、、、名前通り【ドサン】に決定
「え?俺の尺だけ短くね⁉︎」