変人達との出会い
【世界が終わった】
いや待て、待ってくれ。
俺は決して頭がおかしくなったわけでもなく、厨二病になったわけでもない。
だから、聞いてくれ。
29歳になってから厨二病なんてなるわけないだろ。
【世界が終わった】
そうか、この言葉だけだから分かりづらいのか。なら仕方ない。
俺が身を持って受けた現実を説明しよう。
【寝ていたら世界が終わっていた】
、、、、、いや、言葉の通りなのだが。
もう少し説明がいるのか?
ふむ、それなら、、、、
【会社をサボるために二度寝をしていたら世界が終わった】
おい、勘違いしてもらうと困る。俺は意図的に会社をサボったわけではない。
え、、、えと、、そうだ、体調が悪かったから休んだんだよ。
だから、ここはあえて言葉にすると、、、
【会社に行こうと思ったが体調が悪く感じたため、このまま出勤したら他の社員に迷惑をかけてしまうと思い休むことを決意した。そして、もう一度布団を出し睡眠をすると世界が終わっていた】
よし、これでよし。
とにかくだ、世界が終わったんだよ。
俺、土産英知が目を覚ますと世界が崩壊していた。
人間、本当に驚いたら声が出ないらしい。
家を出た俺は心の底から驚いた。
まず、人が誰もいない。
この時間帯なら近所のオバちゃんが井戸端会議をしていてもおかしくない。でも、今は誰の声を聞こえない。
「誰かいませんかー!」
とにかく叫んでみる。
返事は聞こえなかった。
「マジかよぉー⁉︎これはもう終わりだ、、、」
返事は聞こえなかったが、奇声は聞こえた。
声からして若い男のようだ。
聞こえてきたのは近所の保育園から。
「マジかよマジかよ⁉︎この時間帯ならいつも園庭を天使たちが走り回ってるはずだろ!!何で誰もいないんだ⁉︎、、、、、終わった、、俺の人生終わっちまったよ、、、」
保育園の門の前で膝をついて落ち込む青年。
え?めちゃくちゃ声かけたくないんだけど、、
「ふふふ、、、」
今度は自分の後ろから声が聞こえてきた。
「天使?ふふふ、天使ならここにいるじゃない?」
制服に身を包んだ女子高生らしき女性が、長い髪を手でかき分けて立っていた。
終わった世界での旅は、ここから始まったんだ。
、、、、、変人達とだけど