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詩集

前門の甥っ子、後門の姪っ子

作者: たこす

甥っ子と姪っ子が可愛すぎてメロメロです。

逃げ場がないとはこの事か


目の前には甥っ子が

血気盛んに立っている

手には戦隊モノのおもちゃの剣

今にも斬りかからんばかりの勢いだ

これを突破するのは容易じゃない



背後には姪っ子が

飛びかかろうと立っている

僕の背中に抱きつこうと

手をこまねきながら立っている

これを突破するのは容易じゃない



どうしよう



明日の仕事は朝早い

君らにかまう余裕はない



ふと横を見る



六畳一間の小さな座敷

ここを通れば逃げられる



よし、と心に決め

さ、と中に入れば

「待て」と叫ぶ幼き声



ふんだ、待つものか

明日は早いんだ

ていうか、君らも早いだろ

はやく寝ろ



幼き声は容赦なく

僕を逃がすまいと追いかける


捕まるものか

僕を誰だと思ってる

僕は君らのおじさんだ

捕まってなるものか



気付けばこの二人

玄関先に先回り

むむ、やるな

どうしてもこの二人

僕を逃がす気はないようだ



しかし帰らねば

明日は朝早いんだ


「さらば」


裏口へと猛ダッシュ


「待て」という幼き声

待つものか

捕まるものか

僕は大人だぞ

子供に捕まるわけにいくものか



どてん、という音がした


振り返ると姪っ子が

ものの見事に転んでる

痛々しそうに転んでる

これは予想外の展開だ

案の定、泣き出した


待て待て待て待て

反則だ


それはいくらなんでも反則だ


「大丈夫か」


近づく僕に姪っ子が

ぎゅっと抱きつき、こう言った


「捕まえた」



ええい、ちきしょう、やられたぜ

知的戦略にやられたぜ

まさか、あの転倒も

作戦だったと思われる

なんたる不覚、僕の馬鹿



「もう逃がさないぞ、悪党め」


甥っ子が剣を構えて誇らしげ

いやいや、なんで誇らしげ?

捕まえたのは姪っ子だ


それに言おう

本当の悪党は

君らが思う以上に悪党だ

ていうか、帰らせろ



「うりゃあ」


甥っ子の剣が炸裂す

ズバシュと声を上げ

僕の腹を横に裂く


「うわあ、やられた」


そのまま僕は倒れ伏す


倒れた僕にさらに剣

自称正義の味方は

悪党相手に容赦なし


「うわあああ」


叫びながらも笑う自分

こうして帰宅が遅くなる


お読みいただきありがとうございました。

本来は一難去ってまた一難て意味らしいですね。ま、いいや(^O^)

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― 新着の感想 ―
[一言] お二人共可愛いですね。 私にも甥っ子姪っ子が居ます。 可愛いですよねぇ。 そんな手を使われたら逃げられないぜ( ̄▽ ̄;)
[良い点] いいなーいいなー羨ましいです! 姪っ子さん、あざとい可愛い女性に成長しそうです。 叔父さん頑張ってください。勝手にお姉さんの子どもさんだと想像してます。 >ていうか、帰らせろ の一文、す…
[一言] 甥っ子と姪っ子への心地よい愛を感じます。 困らせられるのもまたうれしいという不思議な感情。 あたたかい気持ちを追体験できました。 ありがとうございます!
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