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リオナルド・カストネル 3
衝動的に押し倒したヴィアンカは美しい菫の双眸から涙を零して理解不能なことを言う。
「大人になった」と言って俺の理性を吹き飛ばし、確認すれば「知らない。怖い」と泣く。
それでも問い詰めれば、俺の言いなりになるのは止めただと? それが大人になったという事か?
再度問う。
「ヴィアンカ、答えてくれ。お前は俺以外の男と身体を交わらせたのか?」
「? そ、そんなこ、と…ふっ……するわけが、ありま、うっ…せん」
僅かに安堵する。それでなければ相手の男を死んだ方がましだと思う目に合わせていただろう。
逃げられないように拘束は解かない。だから涙を唇で吸い取った。
「お前の言っている事はよく分からない。もっときちんと説明してくれ」
話を聞くべく再度理性を総動員した。
抱き起こし、優しく腕に抱きこんで頭を撫でる。「悪かった」と呟いて、髪に、額に、米神に、頬に、口付ける。泣いていた為かヴィアンカは大人しくそれを受け入れている。
暫くそうして落ち着けてから、問いかけた。
「お前が考えていることを教えてくれ」