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リオナルド・カストネル 8
短いです。ご了承ください。
「おい、いい加減にしろよ」
俺だって扉の開け放たれた寝室で最後まで事に及ぶつもりはない。
伯爵との約束もあるし適当なところで解放するつもりだった(出来なければ出来ないで扉は締めに行くし、言い訳も考えよう)。
だが、口付けぐらいもう少し堪能してもいいはずだ。
俺の胸を精一杯押しのけようとするヴィアンカを睨みつけた。
「ダメです! リオ様」
「ああ!?」
「私の夢の多くは回避した方がいいものです。きっとここに居たらいけないんです!」
ヴィアンカは先程まで躰の下で蕩けるような表情を浮かべていたのが嘘のようにしっかりとした態度で俺の腕を抜け出て、行こうというように手を引く。
回避した方がいいって何だ。単にヴィアンカの貞操の危機ってことか。なくはないが。それとも寝台が壊れるとでもいうのか。
全く冗談じゃない。
そう思いながらも俺はヴィアンカがあまりに必死な様子なので、しぶしぶそれに従い寝室を出て居間に戻った。
そうしてすぐに彼女のその力に感謝することになる