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リオナルド・カストネル 5

「これで最後だ。お前は誰よりも可愛い。俺はヴィアンカ、お前を愛している」


 耳元で呟けば、暫くして白い項が見事に赤く染まった。漸く意味を理解して咀嚼したらしい。

「うそ……だって、可愛くないって……」

「好きな女が他の男に飾られて嬉しそうにしているのを見て可愛いと思う馬鹿が何処にいる」

「飾られる?って…え?」

「花冠だ。お前は随分嬉しそうにしていたな」

「それは嬉しかったですし」

「そうだろうな。お前は昔からずっと少女趣味なものが好きだった。だが、他の男から貰ったものにあれ程嬉しそうな顔をされたらイラつくに決まっているだろう。しかも十一の子供だ。感情を殺せなくても俺の所為じゃない」


 公爵家の嗣子として、望めば不自由なく手に入る世界で。必ず手に入れると執着したものはヴィアンカだけだった。初めて会ったその日に、子供ながらに婚約したいと伯爵に訴えて……同席していた父は蒼白になっていた。人が好いとばかり思っていた伯爵の恐ろしさを初めて知ることになったが、それでも二年後何とか婚約に漕ぎ付けた。

 それなのにヴィアンカはジョセフなんかの花冠に幸せそうに微笑んで。あそこでああ言ってしまったのも頷いてくれと言うものだ。俺は全く悪くない。

 そこからはヴィアンカの思い込みの激しさを利用して他の男に目が行かないように仕向けた。可愛くないのだから、俺くらいしか嫁の貰い手が無いぞと。……よく信じたと思うが、それがヴィアンカだ。

 優しく甘やかせば、当然依存してくる。思う壺だ。

 ヴィアンカが引け目を感じて俺に対してあまり執着心を見せないのには少々焦れたが、それも自分の所為だしこれからどうにかする。


 それが婚約解消だ?

 この場で襲うぞ!!


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