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異世界珍道中  作者: 十夜
2/25

ありきたりでなんだけれど、気がつけば異世界

ちまちま書きためながらのアップなので更新は不定期になるかも…?

世の中にはいわゆるブームと言うものがあって。

少し前に世ではいわゆるライトノベルというジャンルが確立されてからその知名度は一気に上がった。

最近本屋でよく見るのはいわゆる異世界トリップモノが多いような。

うっかり、もしくはあっさりと若くして元の世界でポックリ逝ったと思えばなぜか異世界で転生していました、とか。

いきなり異世界に飛ばされたかと思えば異世界の重要人物といれかわっていて、とかね。

これまた便利にチート級の能力持っててーとか、ええ見たことありますよ私も。

『ピーッ』とか『ピピピピーッ』とかね。

活字中毒と言うほどではないけど活字嫌いって言うほどでもないですから。

たまにはそういう、いわゆるノリの軽い話だって読みたくなります。

もっというなら興味さえわけばなんでも読みますよ、いわゆる雑食系ですし。

文学書ならいざ知らず、趣味の読書くらい楽しくたまには何も考えずに冒険ものとか楽しみたいですよね。

現実にはありえないとわかっていてもやはり冒険モノとかファンタジー物とか読んだらわくわくしますし。

一昔前ではプロアマ問わずこんなにも簡単に小説を書いて発表したりなんて考えも出来ませんでしたよね。

そういう意味では文字通り星の数ほど様々な話があり、好きなように読めると言うこの時代。

活字中毒でなくても幸せだと思います。

ええ、何をこんな取り留めないことを考えているかと聞かれましたら。

いわゆる現実逃避なんですけど、これ。


(・・・どういうことなのよ、これ)


ありきたりで大変申し訳ないって言うか、芸がないとさえ思います。

本当にどこかで聞いたような、みた事がある言葉だねと言ってる本人ですら思うのです。

思いますけどね、今の状態を一言で簡潔に表すならば。

『気がつけば異世界』

これしかないと思うのだ。

しかも。


「サラちゃん、鮭のクリーム煮と今日のオススメサラダ。あとグラスワインねー」

「はーい、ただいまー!」


今まさに働いている真っ最中だったりします。

もう一度言いますが、別に元の世界で死んじゃった!!とかはありえません。

あえて言うなら仕事から帰ってきて「ああ、疲れた」とベッドに横になって瞬きをしたくらいです。

というかなんで仕事を終えてようやく休めるはずなのにまた私は働いているのでしょうか。

などなど、思う事は多々あってむしろもうわけもわからず叫びだしたいくらいなのですが。

正直考え事をする余裕さえないありさまでありがたいやらどうしたものやら。


「こっちはムール貝のパエリアと赤ワインボトルで頼むわ!」

「かしこまりましたー!」


オーダーを受け付けるために口を動かし、料理を作るために手を動かしながら。


(言葉はわかるし料理もそんな大きな違いはなし、ついでに材料もおかしなものはなさそうなんだけど)


何がおかしいかと言うなら視界の端で上機嫌に酒を煽っている客がおかしかったりする。

アルコールのせいだろう、ほんのり紅くなっているその顔は。


「………イルカ」


思わず口をついてでた言葉は幸運なことに喧騒にかき消えて誰にも届かないで済んだわけだが。

とりあえず私の常識の中には歩くイルカやワインを呑むイルカはいない。

まして器用に胸鰭?でワイングラスを持つイルカもだ。

何かがおかしいを通り越して全てがおかしいと思うのだが。


「お姉さん、オーダーお願いしますー」

「はーい!」


店内をパタパタと走り回るウェイトレスの姿に、のんびり考え事をしている余裕などないと溜息をつくことしかできなかった。

どうせほんの少し考えた所で焼け石に水、とりあえず目の前のやるべき事を片付けてから考えようと思考を切り替えることにする。

あるいはそれを誰かが聞いたならば突っ込んでくれた事だろう。

「人はそれを後回しと言うのだよ」と。

無論、ここにそんな人間はおらず。


「追加オーダー入りまーす」

「はーい!!」


戦場はまだまだ続くのだった。

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