六十九話
「約束の物は10日の3時ちょうどに例の場所でだ」
「ああ、問題ない。しかし、便利な時代だな」
「確かにな。ゲームの中でこんな話をするなんて世も末だ」
とあるVRMMOのゲームである。
二人の人物はとある犯罪グループの構成員であり、取引に来ていた。
「本当にそうだよなぁ。なんたってお前らみたいなゴミがいるんだから」
二人しかいないのを確かめてあったその場所から第三者の声が入ってくる。
「特別権限により『決闘発動』」
第三者の声と共に決闘モードが強制的に発動する。
決闘モードは同意した者同士のプレイヤーVSプレイヤーで戦うモードである。
ただのゲームであるこれを強要したところで実際のところは現実に何も影響はないのでただの迷惑行為にしかならないのだろう。
その人物の後ろ盾がなければだが……。
決闘モードには互いにダメージが与えられる以外にログアウトができなくなっている。
これは決闘に負けそうになり、デスペナルティー所謂死んだ場合のデメリットを回避しようとするのを防ぐためである。
「テメーは何もんだ!?」
構成員が怒鳴り声を上げる。
二人はゲームの中とはいえ追跡がないか確認している。
下っ端でも闇に生きる物であり、素人の追跡なら気づけるはずだ。
しかし、二人は何もつけられてる気配を感じずに完全に安心していた。
「警察だよ。AI・VR技術犯罪対策課って言えばわかるか? ちなみにお前さん達の使用してるVR装置からお前らの場所を俺の仲間が割り出してる。決闘中だからお前らは俺を倒すしか助かる道はないってことだ」
「くそっ」
「ちなみに瞬殺されようというのはなしだぜ? 俺は武器を使わないからダメージは与えられないからな」
そうやって二人は武器を抜くと同時に飛びかかってくる
「!?」
「はっ、どうしたよ? あまりのスピードにビビったか?」
二人はチートを使用した。
チートというのはゲームのデータを勝手にいじくることである。
もちろん違法行為であるが、こういう手法は強敵が潜むダンジョンだったり、警察の常套句でもある決闘の対策として利用していた。
二人が通常の仕様ではありえないほどのスピードで警察を名乗る男に斬りかかると、その男はギリギリで剣を躱す。
そして、その剣が地面に大穴を開ける。
「もちろん力もいじってるぜ? ほかにも耐久力も、武器の性能もいじれるものは全ていじってるぜ」
そのセリフと共に再び突っ込んでくる。
しかも、今回は逃げられないように挟み撃ちになるような形で二人同時でだ。
「予想通りだよ」
男のその声が聞こえたと思うと二人の構成員の体は正面衝突していた。
二人はもちろんこのようなことが起こらないように若干ずらして飛んでいた。
その程度の知恵はあった。
「攻撃がまっすぐすぎるよ。
そう言って男は二人が倒れてるのをいいことに踏みつける。
構成員の二人もチートである筋力値を使って男を跳ねのけた。
「お兄ちゃん、終わったみたいですよ?」
その場には似つかわしくない子供の声が聞こえた。
その声に男はうなずくと再び構成員の二人を正面にとらえる。
「そうか、ならこっちも終わらせよう」
そして半端ない耐久地を減らすのに時間がかかったが一方的に決着がついた。
次回完結
今回少ないので後でちょっと付け加えるかも?




