五十三話
Youは控室から戻り、決勝を見るために闘技場の観客席を歩いていた
決勝の舞台は2回戦の古代闘技場のようなフィールドと若干違い、決勝のフィールドは最近の漫画やアニメに出てきそうな真ん中に石のフィールドがあり、周りは素材が見当もつかない物でできているものである
そして、Youが控室から出たころにはRedと666の戦いが中盤に差し掛かったところであった
「おっ、大将こっちだ」
呼ばれた方を見てみるとそこにはYou以外の暗黒騎士団のメンバーがそろっていた
「大将、お疲れ」
「アラシもな――で、ハンナは後で覚えてろよ」
「意外と根深いのですね……」
このような話をしていても一切会話に入ってこないSakiの方を見てみると、Youに背中を向け、頬を膨らましていた
「なんだよ、拗ねてんのか?」
「拗ねてない……」
「拗ねてんじゃん」
「拗ねてない。で、お兄ちゃんはどうなの? レッドさんと闘うって言っといてまったく別の人に負けてんじゃん」
喧嘩を始めた兄妹にいつものことと言う風に見て見ぬふりをし、試合を再び見るほかのメンバー
KanaとRyuukiはそれぞれWs、Sakuraに予選の段階で負けていた
「そういえば、どうしてハンナは職業スキルを複数つかえたんだ?」
またSakiにやられたのか、体操座りをしたYouがHannaに尋ねる
「あぁ、そういえば私たち5人とユーさんは職業スキルをまだちゃんと話してませんでしたね」
職業スキルの話が出ていまだに互いの職業スキルを話してなかったことに気付いたKanaは自分の能力を話し出す
「私は回復魔法の効果の上昇と飛行能力が付きます。なので飛行能力や、遠距離系の相手の時は安全に回復することができます」
「僕の職業スキルは一発のみの射程の拡張と威力の上昇ですね」
「俺は防御力の増大とダメージの反射だな。まぁ、反射はほとんどおまけみたいなもんだがな」
「私の職業スキルは少し変わっていまして、一つ一つはほかの職業スキルと比べれば少し劣っていますけど十種類の中から三種類のスキルを使えます」
「で、サキさんのスキルは防御力の低下の代わりに攻撃力の増大でしたね」
Sakiはまだ拗ねているのか会話に入ってこないので代わりにKanaが答えた
これで5人の職業スキルが判明し、次はお前の番だ。と目で言ってきていた
「俺のスキルは……秘密だ!!」
そのセリフの直後にあらかじめ決められていたように5人は協力し、詳細は伏せるが最後にYouの心が折れたことを記しておく
4人はドSな兄妹二人を伊達に長くいるわけではなく、二人から相手を効率的に痛めつける方法なども学んでいたのである
別にそんなものない方が良いが……
閑話休題
「俺のスキルはフィールド内の味方プレイヤーの防御力上昇効果と防御力が上昇しているプレイヤーで合計一度だけHPがなくなっても1だけ回復する。ハンナの攻撃を受ける直前に発動して、死ぬのを防ぎ、唖然としてる所で反撃しただけで結局のところ効果を知られてたら負けていた」
「へぇ、お兄ちゃんなんか素直になった?」
いつの間にか復活したSakiが会話に入ってきた
いつの間にか復活するところはさすが兄妹と言ったところだろう
「うっせぇよ」
半年も過酷な環境に置かれていれば精神的に成長するのは当たり前と言えば当たり前であった
それでも性格に影響出ているのはわずかではあったが……
「そんなことより決着つくぞ」
Youが言った瞬間にRedの片手剣が666の片腕をとらえる
666のHPはレッドゾーンに突入し、Redの攻撃力ならあと一撃で削れるだろうほどに激減した
しかし、鉤爪で剣を抱え込み、凶悪な笑みを浮かべ職業スキルを発動する
その攻撃によりRedのHPは尽き、勝者に666の名前が呼ばれる
3位にSakiとYouの名前が呼ばれ、商品が封入されたメールが届く
「まぁ、息抜きにはなったかな。さて、一番にこのゲームをクリアしようぜ」
「負け惜しみだねぇ、でも賛成。今回負けた分はほかで返さないと」
そう言ってトーナメントは幕を閉じた
残りのボスは二体、長く続くこのデスゲームも残りわずかである
そのわずかなところを攻略するため、今日も攻略組ギルドは攻略に出向くのだった




