五十話
約10分の遅れ申し訳ありませんでした
廃墟が立ち並ぶ中でYouは前で待ち構えてる者を見る
その男はYouを見ると口を開く
「初戦からあんたか……正直言ってきつそうだね」
「それはこっちのセリフだ……」
決勝トーナメント一回戦
Youは同じ主人公で、つい最近まで一緒に行動していた【英雄】YUUと対峙していた
その恰好は騎士を想像させるようで、少々乱暴な言葉遣いも気にならなく様な男だった
お互いの顔つきが真剣なものになり、剣を構える
目の前のカウントが0になると先に動いたのはYouだった
威力は低いが、出が早く、色が薄くわかりにくい”ウィンドボール”を放つ
もちろんそれだけであたるはずもなく躱され、それと同時に走り出してくる
しかし、一瞬でも時間が稼げればよかった
すぐに”ファイアーゾーン”を発動し、目の前に火の絨毯が広がる
ファイアーゾーンは威力は低いが、継続的にダメージを与えるタイプの範囲攻撃で、効果範囲の広さ、下からのダメージで防げるはずもなくYUUはいち早く逃れるためにYouに突っ込んでくる
だが、わずかとはいえ、先制ダメージを与えた
火の絨毯を抜けたYUUが剣を突き出してくる
剣で横にはじき、後ろに逃れようとするが、”シールドバッシュ”のスキルを発動させた盾を突き出してくる
それを横に躱すが、すでに戻されていた剣で攻撃を仕掛けてくる
盾で視界を遮られてたため、反応が遅れ、直撃こそ避けたが、いくらかのダメージを食らった
実力が近しい者同士、簡単にはいかないようだ
YUUは防具に《楯無》というオリハルコン製の防具をつけていた
一緒に戦っていた際には耐久値の問題で途中から外していたが、防具としては最高峰の防御力を持つ
Youも同じオリハルコン製の《イージス》があるが、盾は使わないため、アイテムボックスの中の肥やしになっている
武器はお互いにミスリル製、防具もおそらく《楯無》以外はミスリルだろう
現在発見されている中では、英雄が持つオリハルコン製のの武具の次に性能が高い金属である
足、剣、魔法、使えるものは全て使っているがなかなかまともに当たらない
相手は剣と盾を色々と工夫しながら攻撃を繰り出しているが、当たったらひとたまりもないので、躱し続ける
「やっぱりさすがだな、攻撃が当たる気がしない」
「それはこっちのセリフだ!」
そのような掛け合いをしながらもお互いに手を止めない
魔法は、この戦いの中じゃ詠唱時間のない初歩の攻撃のみ、STRは負けていてまともに攻撃を剣で受ければ剣が弾き飛ばされるだろう、逆にAGIはYUUはあまり上げていないのでYouの方が高いので攻撃を躱し続けられる。だが、相手は魔法を使うことができないので魔法が使えるこちらに遠距離戦は有利。しかし、初級では当たらず、先ほどの範囲魔法も現在の接近してる状態では少し離れたところで詠唱中にダメージを受けてしまう可能性が高いので使えない
観客席からではちょっとずつ後退しているYouが押されているように見えるだろうが、実際のところは拮抗していた
子供の投げた石ですら状況が左右されるだろう
しかし、この廃墟ステージは子供どころか、虫一匹いない
状況を変えるとしたら本人達の実力や、策略しかない
焦り一つとっても危険な状況である
足元を切り払いで狙われるが、それを飛んで飛んで躱し、空中を狙い、再び切りかかられるが蹴りを放ち、蹴りをガードするために上げた盾を足場にし後ろに逃れ、”ショルダータックル”という体術系のスキルによる体当たりを横に躱し、剣で攻撃を仕掛け、盾でガードされ、剣による突きを指輪を装備している方の小手で受け流すが、完璧なタイミングで現実ならダメージはなかろうと、あくまでもゲームの世界なので、剣の横で軽く殴られた程度のダメージが入る
しかし、Youも負けずに魔法で、反撃し、右腕に軽く当たった魔法がわずかなダメージを与える
このような状況が10秒、1分、10分とどんどん続く
お互いのHP残り3割を切ったところでYouのMPとスタミナが一割を切った
いくら初級の魔法やスキルとはいえ、他の人より劣るMPとスタミナを10分間使い続ければこうなることは分かっていた
このまま続ければMPとスタミナが尽きて負けてしまうだろう
「仕方がない……。”魔法剣””アタックアップ””インパクトアタック”」
武器の特殊効果、支援魔法、スキル効果
3つの効果が重なり、一撃だけなら同じレベル帯の重量武器に匹敵するほどの威力が出た
全てに手を出しているYouだけの切り札である
なぜ、今まで使わなかったのは消耗が重いからだ
MPを魔法と魔法剣の発動分、それにスタミナも消費する
持久戦では消耗が激しく、今まで使わなかった。しかし、今はこのままだと負けるため消耗を気にしてられなくなったのだ
「ック!!」
その効果は抜群でYUUが持つ剣は弾かれ、剣を手放さなかったのは感心するが、それでも体が剣に引っ張られ、体勢が崩れる
その隙に魔法剣の効果が残った剣で胴を切り裂く
初めてまともに入ったそれは防御力ではトップクラスのYUUのHPを1割も削った
「【英雄】」
一緒にいたからこそ知っている
その効果は自分の名声だけ、ステータスが上がる
掲示板があるこの世界では主人公の一人であるYUUは全員が知っている
つまり、上昇幅は最高
勝っていたAGIも追い抜かされ、今は逃げに徹する
すぐに追いつかれるが、ひたすら防御する
まともな攻撃をするには、地面を踏みしめるために一瞬止まる必要がある
だからこそ攻め込まなければ防御ができる
とはいえ、走りながらの速度に頼った攻撃もステータスが上がった今の状態は脅威なので攻撃できない
しかしそれでもかまわない
こうなれば狙うのは一つ
10分間耐え、ステータスが下がったところでとどめを刺す
それしかなかった
「【救世主】」
30秒程度たった所でそう唱える
救世主には本質的な能力とは別に多少の防御力の上昇効果もある
それからはひたすら逃げ、ひたすら耐えた
そしてその時が来た
「おらぁ!」
突きっ出された剣が残りわずかなHPを削った
MPは尽き、スタミナも尽きた。残りのHPは13。MAXのHPが5ケタなのに比べれば風でも吹けば即座に飛んでいくような数字
しかし、相手の速度は急に落ちた
スキルの発動から10分間経ったのだ
「10分間で倒せなかったか……。しかしあんたのHPもわずかだ最後まで戦うぜ」
その眼は諦めておらず
主人公の風格を感じさせた
Youは10倍ものステータスの差を生かし切り、油断せずに英雄のHPを削りきった
ログ・ホライズン今日アニメ化!
楽しく見させてもらいました
小説家になろうで一番最初のアニメ作品かな?
とりあえず初回なのでよくあることですが声に違和感が……
まぁ、そのうち気にならなくなると思います
アニメになることはないですが、これからもFWOをよろしくお願いします




