二十九話
剣が眉間に突き刺さった竜はポリゴンとなり、消えていった
そして、ドロップアイテムが目の前のウインドウに映し出される。そこには、ラストアタックを決めた証として《魔石》という文字があったがあった
昨日、攻略した時の半分の人数で、倍以上の時間をかけて劣等竜を討伐できた
そこにはRedに確かなる自信を与えてくれた
「全く、君はこれだけの戦力で戦うなんてどうかしているのかい? 回復薬がもしなくなってしまったら全滅したかもしれないだぞ!?」
「それぐらいの荒行事をしないとお前も立ち直れないと思ってな。なに、お前を信じた結果だよ」
「全く、そんなこと言われたら怒れなくなるじゃないか」
「だから言ったんだ」
Redはため息をつく
そこで背中を叩かれる。そこにはRedのギルドメンバーがいた
「調子は戻ったか? 相棒」
と、きざな神官服のDaisu
「元気じゃないとレナが困る……」
と、双子の兄のReki
「元気じゃないと私困る……」
同じく双子の妹Rena
「ちょっと、ユーさんとの関係は羨ましいですけど空元気でも、元気なRedさんが戻ってきてくれて嬉しいです」
と、おとなしめのフー
「私は落ち込んでいるあなたを見たくありませんので」
と、メガネの似合うミル
「みんな、ありがとう……」
小さな声でRedはそう呟いた
次の日
Redは一人で、前回のボス攻略で犠牲になったプレイヤーのPTメンバーに呼び出された場所に来ていた
「俺の目的はわかっているんだよな」
相手のプレイヤーがそう切り出すと、Redも頷き返す
「もちろん分かっている」
Redはそう言うと限界まで頭を下げる
「まずは謝罪が遅れたことと、僕が至らなかったためにあなたの仲間が犠牲になってしまったことを謝罪したいと思う。申し訳なかった」
いきなり謝罪を返されるとは思っていなかった相手は少し気圧される
「この程度の謝罪で許されるとは思っていないが僕ができることならいくらでもしよう。それと、これからの攻略も君たちの力が必要だ。是非ともこれからも力をかしてほしい! 今回のようなことを防ぐためにも君たちの力を貸してくれ」
最期の言葉を聞き、相手のプレイヤーが眉を寄せる
犠牲者を出してもまだ全体の指揮をするつもりなのか? と
「君が言いたいことは理解しているつもりだ。しかし、もう一度チャンスをくれないか? 図々しいお願いだとは理解している。それでも、あと一回でいいからチャンスが欲しいんだ」
黙る相手に対し、Redは頭を下げ続ける
やがて、相手が口を開く
「ふたつ条件がある――」
最初の街
そこの中央には新たなオブジェクトが設置された
それは石版だった
石版の周りには花が並べられていた。街にあった花屋が売っていたギルドホームを彩るためのアイテムだが、その花は別の意味を持っていた
その石版には全員とまではいかないまでも、多くの今までに命を失ったプレイヤー達の名前が刻まれていた
その石版の前には二人の男が花を捧げて、冥福を祈っていた
「――というのが昨日あったことだよ」
「その条件の一つが、今回の攻略で犠牲になったヴォルトって奴が皆に忘れられないようにしてくれ……か……」
「あぁ、その通りだよ。だけど、亡くなったのは一人だけじゃない……ボス戦以外で亡くなったほかの人たちや、前のMPK事件の被害者達も忘れられないようにしたくってさ……生産色の人に頼んでここにこの石版をおいたんだ」
RedはYouに対して昨日の話し合いの報告をしていた
なんだかんだで一番心配し、立ち直るきかっけをくれた親友に報告をしないわけには行かなかったとRedは感じだのである
「全員はこの石版にかけないかもしれないけど、なるべく多くの人を忘れないようにしたいんだ」
「そうだな、それが生きている俺らの役目かもな」
沈黙が流れる
そして、先に口を開いたのはYouだった
「ヴォルトはちょっと慎重さに欠けていたみたいだけど、その正義感と勇気は本物だった。あまり話したこともねぇけど、正義感と勇気がなきゃ攻略組にいるはずないからな……」
「そうだね、僕も彼の正義感と勇気には敬意を持つよ」
再びの沈黙が流れたあと
「それでだ、もうひとつの条件ってのはなんだったんだ?」
Youがそう言うとRedは薄く笑う
「さてね、なんだろうね」
「なんだよそりゃ」
Youからは見えない角度でRedは口を開く
「大丈夫……もう二度と犠牲は出さないさ……」
自身と犠牲となったプレイヤーと、その仲間。そして生きているプレイヤーに向かって誓ったRedのその言葉は誰も聞き取れなかった
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しかし、次からは新章で主人公もYouに戻ります
次回の更新はいつも通りに5日に更新する予定です
PSなるべく20時に更新する予定です
10章まで続く予定なのでそれまでお付き合いお願いします




