二十二話
「さて、裁判を始めよう」
Vanが静かにそう告げ、手で誰かを呼ぶ
そうすると、後ろから10人くらいのプレイヤーが現れた
その中にはMake、Risa、Walkerの3人もいた
「被害者諸君、この者達にどのような道がいいか教えてくれ」
Vanがそう言った
「俺を逃がすために仲間が犠牲になったんだ。仲間と同じように大量のモンスターで殺すのはどうだ?」
「うぉほほ、それも良いかもしれないな。実際にわし等はユー殿達が現れなきゃ死んでたからのう」
「人を殺すと言う意味を体に覚えさせるしかないのでは?」
後ろの者達は3人のMPKによる被害者達だ
命かながら逃げた者、仲間が犠牲になった者、友人をなくした者
理由はどうあれ、3人により人生大きく狂わされた者達
ただでさえデスゲーム等と言う意味の分からない物に囚われ、その上、ゲス野郎のせいで自分、又は近しい者達がいなくなる
Zen、ROKI、GGの3人は今恐怖によって怯えている
今、どれほどの恨みを買ったのか理解し、怒りに震える者達の怒りから逃げられないと知って自分の状況を理解した
「な、なんだよ。どうせ本当に死ぬかもわからないんだぞ!」
もはや定型句となったその言葉を言う事しかできなくなっていった
「ならば貴様が死んでみろ」
Vanの言葉が鋭く響き渡る
遂に恐怖に耐え切れなくなった3人が人を掻き分けて進む
しかし、突如としてその体が吹き飛んだ
剣を振り抜いた状態でYouとSakiが立っていた
「サキ、お前は動かないで良かったんだぞ?」
「お兄ちゃん、それはこっちのセリフだよ」
直接的な被害を浴びていないYou達も怒りを覚えていた
軽い言い合いのセリフでもその声は酷く冷たい
「くそう! くそう! くそうッ!」
そう言ってROKIは剣を抜いて立ち上がる
Zenは剣を抜き近くの女性プレイヤーを人質に取ろうと動く
GGは無様に再び這いながら逃げようとする
ROKIは立ち上がったと同時にYouの剣に吹き飛ばされていた
「誰が立って良いと言った?」
Youは再び倒れたROKIを再び吹き飛ばす
「ひぃッ」
ROKIの恐怖に染まった悲鳴が聞こえた
Zenは突如横から出た剣に足を止めた
「ねぇ、女性に手を上げるなんて最低だよ」
その言葉と同時に膝の裏を蹴られ片膝を付き、上半身を蹴り飛ばされ仰向けに倒れ、首の左右に二本の剣を交差させながら突き刺し首を固定すると、すべての男性に共通する弱点を踏みつけた
もちろん街の中なので攻撃してもHPは減らないし、セクハラ対策ということで実際には数ミリ浮いている
しかし衝撃は軽減されているがあり、何よりも精神的な苦痛があるだろう
「ッ!!!!!」
Zenは声にならない悲鳴を上げた
GGは這うようにして出した手が誰かに踏み潰された
「ぐあぁぁぁ!」
そして、踏みつけている方の足を支点に顔面に回し蹴りを叩きつける
Hannaは怒っていた
「あの子はとてもいい子でした。いつも笑顔で困ってる人を助けようと頑張っていました。それがあなた達に殺されたのです」
そう言って後頭部に思いっきり踵落としを食らわせる
「あの子は最後まであなた達を責めませんでした。そして、私を逃がすために恐怖を押さえつけてモンスター達の餌食となりました」
そのまま正面から蹴りを食らわして言葉を続ける
「そんな子があなた達の歪んだ快楽のために殺されました!」
HannaはGGを何度も蹴りつける
「あの子が、あの子がどんな気持ちで! あの子は、あの子は最後まで他人のために!」
涙で歪んだ顔を隠すこともなくGGに蹴りを繰り返した
そして最後に思いっきり蹴り飛ばす
そこにYouとSakiが打ちのめしたROKI、Zenが飛んできた
Zen、ROKI、GGの3人は気絶をしていた
YouにやられたROKIは涙と鼻水を垂らしながら
SakiにやられたZenは白目を剥き、泡を吹きながら
HannaにやられたGGは恐怖に顔を歪ませながら
Youはアイテムボックスから一つのアイテムを取り出した
長細い縄だ
Youが【職人】のMakeから貰ったもの
それはいくつかのアイテムを手で組み合わせて作ったゲーム上には存在しないアイテム
気絶している3人が火薬と盲目草の粉を組み合わせて作ったと同じ理屈、そして何段階もレベルの高いものだった
それによって三人を縛っていく
周りは黙ってそれを見守る
そして
「ようやく終わりましたよ、アンズ」
Hannaの優しい声色が小さく響いた
リアルが忙しい……
取り敢えず第二章完結までもう少し




