プロローグ
「なぜ来た!? 後数十秒もしないうちにデスゲームが始まってしまうんだぞ」
声を上げた一人の男がいるのは巨大なクモの巣。
その男以外にも蜘蛛の巣に捕らえられて動けない数十名の人がいた。
そして、その巣の前には数十人の人を捕らえたと思われる蜘蛛がいる。
蜘蛛と言っても大型トラックほどもある巨体。
森の中に開けた広場の中で堂々と立つその姿は畏怖の念すら抱かせた。
その蜘蛛は自分の縄張りに入ってきた愚かなる者を正面に捕らえている。
「うるせぇよ! 何が任せろだ! こんな蜘蛛ごとき殺せないとは完璧少年も落ちたな」
その巨大な蜘蛛を無視し、先ほど声を上げた男に文句を浴びせる。
「完二さん、無駄ですよ。お兄ちゃんはああ見えて頑固ですから」
「そういえばそうだったね……」
『ゲーム開始からちょうど一週間が経ちました。それではデスゲームをはじめます』
機械的な声で頭に響く音声。
そう、ここは現実ではなくVRMMORPG(バーチャルリアリティマッシブリーマルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲーム)と呼ばれる世界。
VRシステム。
いわゆる仮想現実とも言われているその世界はコンピューターによって作られた世界。
サイバースペースとも言われ、電子情報のみで出来ている
科学の進歩によって、サイバースペースの中の体――アバターと呼ばれるものを、脳波を計測することによって、動きに関係する情報をアバターに反映し、ほとんど自分の体と同じように見て、触れ、感じることが出来る。
MMORPGとは全国の人間が集まり、一つのRPGの世界をリアルタイムで楽しむことが出来るものである。
VRMMORPGつまりVRシステムを利用したMMORPGなのである。
だが、今は楽しめる状況ではない。
デスゲーム、つまり命をかけたゲーム。
この世界の死は現実世界の死でもある。
「上等だ! 蜘蛛でも、デスゲームでも何でもかかって来いや!!」
自らを鼓舞し、死ぬかもしれないのに数多の人間――つまりはプレイヤーと呼ばれる人達を数十人も返り討ちにした化け物に右手の剣を頼りに突っ込んでいった。
初めまして棘田清志です。
駄文ですが感想などをもらえるとうれしいです




