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「夜半過ぎに会う」

小さな設計事務所、寝室の扉の内側。




夜半にふと目が覚めて、隣に気をつけながら起き出して、カーテンを開けた。

街の上にぽっかり浮かぶ月は、早い時間よりも明るい。


センセイ、あたしはちゃんとセンセイの望んだとおりに進んでいるでしょうか?

センセイの導いてくれた方向に、間違いなく向かっていますか?

月はただ輝くだけで、相変わらず近くはならない。


ベッドから聞こえる寝息は、平和で愛しい。

あたしがこの年齢の時、世界はあたしの見える場所にしかなかった。

思うがままの身勝手さは、何も知らなかったからだ。


センセイ、今のあたしは少し狡くなったように思います。

それは大人になったということでしょうか、それとも小心になったのでしょうか。

一歩ずつなんて歩みですら、難しい時もあります。

にじるようにでも前へ、それがセンセイの望みでしたから。


いつかあたしからの発信が、誰かに届いたら。

褒めてくださいますか?まだまだと笑われるでしょうか。


ベッドの中で、寝返りの気配がする。

肩が冷えてきた、暖まったコンフォーターの中に戻ろう。


センセイ、またいつか。

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