紅い花と風の約束
春。山の上の高校で、新たな学年が始まる。
事故をきっかけに心を閉ざし、言葉をほとんど発しなくなった高校生・一条渚は、にぎやかなクラスにも、変わらぬ日常にも、心を開けずにいた。
唯一まともに関わる友人・裕太との帰り道、川沿いの橋の上で、渚は“死んだはずの妹”澪の姿を目撃する。
逆光の中、白いワンピースを風に揺らし、どこか儚げに微笑む少女。
そして聞こえてきたのは、かつて澪が眠る前に歌っていたわらべ歌だった——。
姿を追い走った渚が見つけたのは、風に揺れる音と、地面に残された一輪の天竺葵。
それは、消えたはずの妹が残した、再会の“約束”のはじまりだった。
事故をきっかけに心を閉ざし、言葉をほとんど発しなくなった高校生・一条渚は、にぎやかなクラスにも、変わらぬ日常にも、心を開けずにいた。
唯一まともに関わる友人・裕太との帰り道、川沿いの橋の上で、渚は“死んだはずの妹”澪の姿を目撃する。
逆光の中、白いワンピースを風に揺らし、どこか儚げに微笑む少女。
そして聞こえてきたのは、かつて澪が眠る前に歌っていたわらべ歌だった——。
姿を追い走った渚が見つけたのは、風に揺れる音と、地面に残された一輪の天竺葵。
それは、消えたはずの妹が残した、再会の“約束”のはじまりだった。