卒業式の前日、ルームメイトとカレンダーを捲りながら。
「明日で卒業だな」
「この一年、色々あったよね」
「何が一番印象に残ってる?」
「やっぱり、夏休みに二人で遊園地に行った時の事かな」
「あの日のお弁当、美味かったなぁ~」
「ふふ。これからは毎日作ってあげるからね」
「よっしゃ!」
「遊園地と言えば、最後に乗った観覧車だよね。
あの時はびっくりしたなぁ」
「それだけか?」
「ううん。もちろん嬉しかったよ」
「なら勇気を出した甲斐もあったな」
「もう。よくそんな事が言えるね。
忘れちゃったの?
グダグダ過ぎて、こっちから歩み寄ったんじゃん」
「それは言わないでくれよ……」
「ふふ。冗談だよ。
最初に一歩を踏み出してくれたのは、間違いなく君の方からだったよね」
「そっそれより!
夏休みと言えば一緒にプールも行ったよな!」
「そうだね。
水着、また見たい?」
「おっおう」
「ふふ。
それなら今から一緒にトレーニングでも始めようか。
次の夏までに、引き締めておかないと」
「それも良いかもな。
取り敢えず散歩くらいから始めてみようぜ」
「あ!酷い!
そんな必要ないって言ってくれないんだぁ!」
「もっ勿論必要ないって!
今でも十分綺麗だから!」
「まったく。
ぷんぷんだよ!」
「わるかったって」
「ふふ。冗談」
「ちょっとベランダ行こうぜ。
なんだか風に当たりたくなってきた」
「照れてるの?
水着姿、想像しちゃった?」
「……」
「ふふ。ごめんね。
からかいすぎちゃったね。
ほら、行こ」
「おう」
……。
「風が気持ちいいね」
「そうだな。
紙飛行機飛ばしたら、どこまでも飛んでいきそうだ」
「ダメだよ。怒られちゃう」
「冗談だって。
もう戻るか。
流石に寒すぎたな」
「そうだね。
長居したら風引いちゃうかもだし」
「明日は卒業式だ。
早く寝ちまおうぜ」
「そうだね。
ふふ。また皆の前で寝言を言われたら堪らないもんね」
「それも忘れてくれって言ったじゃんか!」
「良いじゃん。
おかげで皆にも祝福してもらえたんだし」
「そうだけどさ……」
「良い友達に恵まれたよね」
「だな」
「皆ともお別れかぁ~」
「進学先、一緒のやついたっけ?」
「いないよ。
みんな共学のとこに進むみたい」
「寂しくなるな」




