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魔王シルバーの異世界冒険  作者: バーチ君
ベテルギ王国
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シルバー殿とセリーヌ殿は何者?

 僕の部屋でゲーテの話をしていると誰かがドアをノックしてきた。



「コンコン!」


「どうぞ!」



 するとゲーテが中に入ってきた。そして、いきなり僕に片膝をついて挨拶してきた。



「お初にお目にかかります。魔王様。私はブラッド様の配下で蝙蝠族のゲーテと言います。」


「そうだったんだね。でも、どうして人族の国にいるの?」


「はい。ブラッド様の命令で、この国の様子を探っていたのです。」


「なら、これから僕とセリーヌがこの国の大掃除をするけど、手伝ってくれるかな?」


「承知しました。何をすればよいでしょうか?」


「そうだね。『キングコブラ』のアジトがどこにあるのか調べてくれる?」


「それなら、すでに調べはついています。」



 そして翌日、僕とセリーヌは朝食に呼ばれて食堂に行った。そこには、エドモント公爵と公爵夫人がいた。



「おはよう。エドモントさん。」


「おはよう。シルバー殿。セリーヌ殿。」


「おはようございます。シルバー様。セリーヌ様。私はエドモントの妻のキャサリンと言います。」


「はじめまして。キャサリンさん。」


「よろしくな。キャサリン。」



 すると、ニコニコ笑いながらキャサリンが言った。



「あなたの言う通りですね。」


「そうだろう。」


「はい。普通は公爵や公爵夫人と聞くと物怖じするものですが、シルバー様とセリーヌ様にはその様子がありません。もしかしたら、お二方はどちらかの国の王族なのですか?」


「違うよ。ただ、僕もセリーヌも常識がないのかもね。」



 僕がニコニコしながら言うと、キャサリンが赤い顔して言った。



「シルバー様は可愛いですね。男にしておくのが勿体ないわ。ねぇ、あなた。」


「失礼だぞ! キャサリン!」


「ごめんなさいね。あまりにも奇麗な顔立ちをしているので、つい。」


「いいよ。よく女性に間違えられるから。」



 セリーヌが笑いをこらえていた。その後、ゲーテとメイド達が朝食を運んできた。朝食は、意外にも質素だった。



「シルバー殿。セリーヌ殿。支度が出来たら会議室に来てくれるか。そろそろスチュワートも来る頃だろうからな。」



 僕達は一旦自分の部屋に戻って、身支度を整えてから会議室に向かった。会議室にはエドモント公爵とスチュワート辺境伯がいた。



「遅くなっちゃった。ごめんなさい。」


「いいや、大丈夫だ。では、早速話を始めようか。」


「シルバー殿とセリーヌ殿は『キングコブラ』を壊滅させたいのだと辺境伯から聞いたが、それは誠かな?」


「うん。そのつもりだよ。」


「2人でか?」


「そうだよ。」



 すると、スチュワートが言った。



「確かにシルバー殿とセリーヌ殿にはそれなりの力があると思いますが、2人では危険すぎます。私の兵も同行させましょう。」


「いいけど。僕、『キングコブラ』の連中は皆殺しにするつもりだよ。」



 僕の言葉を聞いて、公爵も辺境伯も固まった。



「捕らえるのでなく、殺すというのか?」


「そうさ。だって、彼らは他の種族を奴隷にしてるんでしょ? 生きる価値がないよ。」


「俺もシルバーと同じ意見だ。他種族を奴隷にして弄ぶような奴には生きる資格などない!」


「それはそうだが、全員を殺すというのはやりすぎではないか?」


「じゃあ、どうするの?」


「裁判にかけて、罪の重さによって罰を決めるのはどうかな?」


「なるほどね。なら、なるべく捕まえるようにはするけど、抵抗する者は殺すよ。」


「承知した。」


「なら、話は終わりだね。僕、これからロザンヌと街に行く約束をしてるから。」



 すると、スチュワートが言ってきた。



「シルバー殿。セリーヌ殿。今日はどちらに泊まる予定ですかな。良かったら今日は、我が屋敷に泊まりませんか?」


「今日は街の宿屋に泊まるよ。街の様子も知りたいからね。」



 僕とセリーヌは公爵の屋敷を後にした。僕達が出かけた後、会議室ではエドモント公爵とスチュワート辺境伯が話をしていた。



「辺境伯! 実はな。先日、魔族の国から知らせが参ったのだ。」


「どのような知らせですか?」


「どうやら新しい魔王が誕生したらしい。正式にアスラ魔王国と名乗るようだ。」


「それは誠ですか? キングコブラに構っている状況ではないではありませんか。」


「そうだな。魔王誕生が真実であればな。太古の時代、魔王によって大勢の人間が殺されたという話はそなたも知っているだろう。」

 

「はい。その話は知らない者はいないでしょう。」


「シルバー殿とセリーヌ殿の強さは尋常ではない。アスラ魔王国と何か関係があるのではないか?」


「まさか? 二人ともどこからどう見ても人族ですよ。」


「確かにな。だが、魔族の中には姿を変えることができる者もいるらしいからな。」


「ですが、あの2人はこの国を平和にしたいと言っていました。もし、魔族ならそのようなことは考えないのではないですか? やはり、2人は人族ですよ。公爵様。」

 

「そうであって欲しいものだな。」


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