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魔王シルバーの異世界冒険  作者: バーチ君
魔王誕生
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武闘大会(2)

 1回戦のバトルロワイヤルがすべて終了した後、僕達は試合会場を後にしようと闘技場の外に出た。そこにバンパイア族のブラッドが姿を見せた。



「これはこれは皆さん。それにシルバーさん。おめでとうございます。シルバーさんはお強いんですね。大変失礼ですが、シルバーさんの種族はどちらですか? 教えていただけませんか?」



 僕は自分の種族を知らない。アンドロメダとして生きた時も知らなかった。みんなにはそれぞれ種族があるのに、僕には特定の種族がない。すると、リリーが僕の代わりに答えた。



「シルバーは記憶がないのよ!」


「ほ~う! 記憶がねぇ! 私の記憶ですと、かつての魔王アンドロメダ様も種族が不明でしたよ。」



 すると、セリーヌが言った。



「貴様! 何を言いたいのだ!」


「ブラッドさん。僕は魔王アンドロメダ様のように強くないよ。それに、あの方のように仲間を見捨てることはしないから。」



 僕の言葉を聞いてブラッドさんは悲しそうな表情になった。



「シルバーさん。誤解しないでください。アンドロメダ様は私達を見捨てたのではありません。自分が身を引くことで、私達が世界の敵にならないように配慮してくれたんです。あの方ほど優しい魔王様はいませんでした。」


「ごめんなさい。よく知らなかったんで。」


「いいんですよ。それより、明日の試合を楽しみにしていますので。」



 まさかブラッドからあのような言葉を聞くとは思っていなかった。きっと、アンドロメダだったころの僕を恨んでいるだろうと思っていたからだ。何か涙が出てきた。



「どうしたの? シルバー!」



 僕の気持ちが分かったのかセリーヌも肩を揺らしながら後ろを向いていた。



「大丈夫! なんか急に嬉しくなっちゃって!」


「おかしなシルバーね!」



 僕達は昨日行った食堂に再び行った。その途中で、セリーヌが念話を飛ばしてきた。



“シルバー! ブラッドはお前の正体に気が付いているぞ!”


“多分ね! 身寄りのなかったあいつを親代わりに育てたのは僕なんだから。”



 そして、食堂でお腹いっぱい食べて、宿屋に戻って休むことにした。



「リリー! あのエックスという男には気を付けたほうがいいよ!」


「どうして?」


「恐らくサタンの手下だと思う!」


「本当?」


「うん。」


「なら、明日の試合はどうするの?」


「状況次第かな。」


「わかったわ。」



 当初、僕とリリーが武闘大会に出たのはサタンの情報を得るためだった。今の僕にとって優勝することも大事だが、一番はサタンの情報を得ることだ。



そして、翌日、決勝トーナメントの日だ。1回戦はバンパイア族のブラッドとアラクネ族のスペリオ、2回戦はダークエルフ族のエルメスとリリー、3回戦はオレとエックス、4回戦は竜人族のロンと天狗族のグーテだ。 オレ達は試合会場に向かった。試合会場は観客で満員だ。控室は2部屋ある。オレとリリーは同じ控室で出番を待っている。選手でないセリーヌとトロルドとモモカは観客席にいる。いよいよ第1試合が始まりそうだ。



「始め!」



 ブラッドがいきなり飛翔した。スペリオは下から糸で攻撃を仕掛ける。だが、糸が届かない。ブラッドは、空中を飛翔しながら魔法を発動する。スペリオの周りに業火が発生した。だが、スペリオは自らに糸を巻き付けて、火から身を守っている。ブラッドが地面に舞い降りたその時、スペリオの糸が地面から飛び出し、ブラッドの身体を拘束した。だが、ブラッドは余裕の表情だ。



「シルバー殿が見ているのだ。無様な戦いは見せられない。本気で行かせてもらいますよ。」


「余裕じゃないか。ブラッド! この糸から逃げられるのか?。」



 スペリオが鋼の糸を引っ張った瞬間、ブラッドの身体が砕け散ったかのように見えた。だが、スペリオの後ろにブラッドの姿があった。



「終わりだ。」



 ブラッドが後ろからスペリオの身体に手を当てた瞬間、スペリオの意識は途絶えた。


 

「勝者ブラッド!」


「オオ—————!」



 そして第2試合、リリーとダークエルフのエルメスだ。



「始め!」



 エルメスが遠距離から魔法の矢を放つ。数えきれないほどの矢だ。リリーは背中から翼を出して、飛翔しながら矢をかわすが、矢がリリーを追いかけてくる。そこで、リリーも対抗するように魔法の矢を放つ。



『シャドウアロー』



 リリーの放った矢が悉くエルメスの矢を粉砕した。



「少しはやるようだな。これはどうだ!」



 エルメスが呪文を唱えると、今度は地面から木の蔓が現れた。リリーはそれを剣で切り落とす。だが、後ろから来た木の蔓がリリーの右足を捕らえる。そして、リリーが動けなくなったところで、一気にダークエルフのエルメスが間合いを詰めた。リリーは咄嗟に魔法を発動する。



『シャイニングカッター』



 光の刃が木の蔓を切り落とした。そして、リリーがエルメス目がけて拳を突き出す。加速しているエルメスには避けることができない。拳がエルメスの顔面を捕らえた。



「ボコッ」



 嫌な音がした。エルメスはころころと後ろに転がって壁に激突して意識を失った。



「勝者リリー」


「凄いぞー! リリー!」


「リリー! リリー!・・・・」



 城内にはリリーコールが響き渡った。リリーは可愛い少女だ。男性達がこぞってリリーのファンになるのは当然だろう。


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