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魔王シルバーの異世界冒険  作者: バーチ君
イグドラ帝国
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久しぶりにセリーヌと一緒!

 イグドラ帝国の武闘大会にリリーとガンマがエントリーした後、僕達はケント伯爵の屋敷で今後の相談をした。その後、セリーヌと一緒に魔王城に戻って来た。



「やはり、魔王城はいいな。ここに帰ってくると落ち着くぞ!」


「悪いな! セリーヌ! お前には大変な仕事を押し付けてしまった。」


「いいさ。シルバーは適材適所で配置したんだから。人族の世界に問題なく潜入できるのは俺とブラッドぐらいだからな。」



 確かにそうだ。ブラッドもセリーヌもオレが魔王アンドロメダだった時代から知っている。人族にばれずにいられるのは、あの2人しかいない。だが、ブラッドにはアスラ魔王国の宰相としての仕事がある。ならば、必然的にセリーヌにやらせるしかない。



「ただな~。シルバーと会えないのは辛いぞ! だから、こうしてたまに会った時ぐらいシルバーを堪能させて欲しいんだよな。」



 セリーヌがまたオレに抱きついてきた。リリーは横を向いてしまった。恐らく、リリーもセリーヌの気持ちがわかっているのだろう。オレ達が執務室に行くと、ゲーテとメイドがお茶を持ってやって来た。



「ゲーテに調べてもらいたいことがあるんだが。」


「なんでしょう?」


「帝都にいる帝国の兵力を調べてくれ。」


「畏まりました。」


「それとブラッドを呼んでくれないか。」


「はい。すぐにお呼びします。」



 ゲーテが返事をした瞬間、ブラッドが執務室に現れた。ガンマは驚いて飛びのいた。それはブラッドが突然現れたこともあるが、ブラッドからにじみ出る強者の風格に驚いたのだ。



「お呼びですか? 魔王様。」


「ああ。ちょっと相談があってな。悪い。ガンマ! お前は訓練場で訓練しててくれ。」


「はい。師匠。」



 ガンマが部屋を出ていった後、オレとリリー、ブラッドとセリーヌは応接用の椅子に座って話をした。



「これから大事なことを話す。みんなの意見を聞きたい。」


「畏まって何よ。シルバー!」


「大事な話だ。今、世界中で内乱や戦争が起きているのは知っての通りだ。だが、あの悪魔族のサタンにこれだけ大規模なことができると思うか?」


「確かに不自然ですな。昔のサタンよりは力をつけているでしょうが、あまりにも規模が大きすぎます。」


「そうだな。あの卑怯者のサタンだけでは難しいだろうな。」


「どういうこと?」



 オレにもブラッドにもセリーヌにもサタンの記憶がある。だが、リリーだけはサタンのことを知らない。不思議に思うのはもっともだ。



「 サタンだけでないなら、誰かが加担していることになるな。もう、見当はついているんだろ? 早く言え! シルバー!」


「以前、ナルーシャ様に会った時に勇者について話をしたんだが、『勇者は敵か味方かわからない。今は何も言えない。』とか言っていたんだ。」



 するとセリーヌが言った。



「俺は長いこと勇者達3人を見てきたが、あの3人は『悪』ではないぞ!」



 リリーも同じ意見のようだ。



「私達が帝都でならず者達に絡まれていた時も助けようとしていたじゃない。私も彼らは『悪』じゃないと思うわ。」


「確かにそうかもしれませんが、もしかしたら勇者達が何者かに魔王様は『悪』だと吹き込まれている可能性もありますよ。」



 どっちの意見にも可能性がある。だが、オレが気になっているのはナルーシャ様の言葉だ。『今は言えない』とはどういう意味何だろう。何を言えないのだろう。



「考えすぎかもしれないが、もしかしたらサタンの後ろにはナルーシャ様以外の神がついているのかもしれないな。」


「えっ?!」


「セリーヌも言っていただろ! ナルーシャ様を妬んでる神がいるかもしれないって!」



 セリーヌ達が考え込んでしまった。しばらく沈黙が続いた後、リリーが言った。



「悩んでいてもしょうがないわ! 私、お腹すいちゃった! ご飯食べに行こうよ!」


「そうだな。」



 オレ達はみんなでご飯を食べに行った。ブラッドは用事あるようで自分の執務室に戻って行った。食堂に行くと、腹をすかせたガンマがすでに来ていた。



「話は終わったんですか? 師匠。」


「まあな。それよりも、明後日からは武闘大会が始まるんだから、いっぱい食べてゆっくり休めよ。」


「ウッス」



 なんかガンマが大会系のノリになっている。どうやら、今日はトロルドに相手をしてもらったようだ。


そして翌朝、オレ達はケント伯爵の屋敷に行き、帝都を散策することにした。ガンマはトロルドに最後の稽古をつけてもらっているので、僕とリリーとセリーヌだけだ。



「この帝都の様子を見る限り、皇帝が民衆をいじめているようには見えないけど。」


「リリー! あっちを見てごらんよ。」



 僕の指さした方には、貧しい人の住む地区があった。そこには、ぼろぼろの服を着た人たちの姿があった。恐らく、皇帝は至上主義なのだろう。弱いものは切り捨てるという考えが窺える。大通りを歩いていると様々な店がある。レストランもあれば服屋もある。テラス席のあるお洒落なカフェみたいな店もあった。テラス席を見ると見たことのある人物達が座っていた。彼らも僕達に気付いたようだ。男性が一人、走って僕達のところに駆け寄って来た。



「やあ。君達、奇遇だね。試合のエントリーはできたかい?」


「ええ。まあ。」



 リリーが気味悪そうに答えた。セリーヌは男を睨んでいる。



「そんなに睨まないでくれよ。君のような美しい女性がそんな顔したら台無しだよ。」


「ほっといてくれ!」


「ところで、君達は女の子3人で何してるんだい? 良かったら僕がご馳走しようか?」



 なんか僕までムカついてきた。



「あの~。僕、男なんだけど。」


「えっ?! ええ———!!!」



 するとセリーヌが一言言った。



「お前、その驚きはシルバーに対して失礼だろ?」


「シルバー? 君の名前はシルバーっていうのかい?」


「そうだよ。どうして?」


「だって、アスラ魔王国に現れたっていう魔王と同じ名前じゃないか。」


「そうなの? でも、僕はそんなに強くないよ。だから、大会には出ないもん。」


「それは見ればわかるさ。なんせ、僕が少女に間違えるぐらいなんだからね。」



 隣で笑っていたリリーもムカついてきたようだ。このままではまずい。



「あの~。僕達、街を見学したいんだけど。じゃあ、勇者さん達も試合を頑張ってね。」


「ちょ、ちょっと待って!」



 僕達は無視してどんどん歩いて行く。



「あ~あ。あんな奴が勇者なのか~?」


「シルバー! あれでも少しは強いぞ! 恐らく、ガンマじゃ勝てないだろうな。」


「ふ~ん。 でも、ガンマもそれなりに強いよ。僕の作ったゴーレムに傷をつけられそうなぐらいにはね。」


「それは本当か? リリー!」


「まだ、傷はつけられないみたいだけどね。」


「ならば勇者達といい勝負になりそうだな。」


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