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魔王シルバーの異世界冒険  作者: バーチ君
シルバー成長期
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ピッツデリーのダンジョン(1)

 いよいよダンジョンに潜る日が来た。



「さあ、ダンジョンに入るぞ! 2人とも冒険者カードを用意しておけ!」



 僕達はダンジョンの入り口で冒険者カードを提示した。チラッと見えたが、セリーヌのランクはSだ。相当強いのだろう。



「いいか! リリー! シルバー! ここからは迷宮だ! 気を許すなよ!」


「うん!」



 僕達は1階に入った。ダンジョンの中は魔石の力で明かりがともっていた。だが、足元が悪い。躓きそうになりながらセリーヌの後をついて行く。



「ゴブリンどものお出迎えだぞ! 俺は手を出さない。お前達だけで何とかしろ!」


「わかったよ!」



 いろんな魔獣と森の中で戦った経験があるが、ゴブリンは初めてだ。どの程度の強さかわからない。僕とリリーは剣を抜いて、ゴブリンに切りかかった。ゴブリンもボロボロの剣で応戦してくるが、なんとも弱い。あっという間に10体のゴブリンを倒した。不思議なことに、倒したゴブリンが光の粒子となって消えていく。そして、その後に光る石が落ちていた。



「シルバー! そこにあるのは魔石だ! 拾っておきな!」


「うん。」



 僕は魔石を拾って魔法袋の中に入れた。



「ほう~! 魔法袋か? ばあさんからもらったのか?」


「違うよ。借りてるだけだよ。」


「まっ、どっちでもいいけどな。」



 その後、2階へと進んだ。2階もゴブリンだ。だが、2階のゴブリン達は剣だけでなく、弓矢を持っていたり、杖を持っている者達もいた。



「この階層のゴブリンは、魔法を使う者もいるから気を付けな!」


「また、私達だけで戦うの?」


「当たり前だろ! お前達の訓練に来たんだから!」



 しばらく歩いていると、ダンジョンの中なのに森があった。そして、森の中から矢が飛んできた。



「リリー! 森の中に敵がいるよ。」


「シルバー! 私が上空から攻撃するから、シルバーは地上で攻撃して!」


「うん!」



 リリーが翼を出して飛翔した。僕は森の中を注意しながら進む。すると、不思議なことにゴブリンの位置が自然と分かった。ゴブリン達も飛翔したリリーに気付いたらしく、地上から矢が放たれた。おまけに火球まで飛んでいく。リリーはそれらを避けながら、上空から炎の矢で攻撃した。



「ギャー」



 木の陰に隠れていたゴブリンが炎の矢で光の粒子となって消える。その後ろで杖を持ったゴブリンが今にもリリーに向かって魔法を放とうとしていた。僕は水魔法で攻撃した。



『ウォーターカッター』



 水の刃が杖を持ったゴブリンに当たり、ゴブリンは光の粒子となって消えた。だが、まだ戦いは終わっていない。後ろから、うじゃうじゃとゴブリン達が出てくる。リリーが得意なのは炎の魔法だ。この狭い空間のなかで、木々に火が燃え移ったら大変だ。僕は、あえて氷魔法で攻撃した。



『アイスアロー』



 すると、目の前に数本氷の矢が出た。そして、それがゴブリンに向かって飛んでいく。



「ギャー」



 僕の魔法では、数匹のゴブリンを倒すのが精一杯だ。僕に襲い掛かろうとしていたゴブリンを、上空からリリーが『ファイアーアロー』で攻撃をした。結構時間がかかってしまったが、すべてのゴブリンを討伐し終えた。ゴブリン達がいなくなった地面には、魔石が大量に落ちている。リリーと僕は魔石を丁寧に拾い集めた。すると、僕達の戦いを見ていたセリーヌが声をかけてきた。



「リリー! お前の魔法は炎だけなのか? 他の魔法も挑戦してみたのか?」


「うん。発動はするようになったけど、でも、威力がないのよね。」


「それは、お前の意識が炎しか使えないと思い込んでいるからだ! リリーは当分炎の魔法は使用禁止だ! 他の魔法を使え!」


「そんな~! 無理よ!」


「お前は修行に来たんだろ!」


「わかったわよ。」



 今度はセリーヌが僕に向かって言った。



「シルバー! お前の魔力は強大だ! だが、その使い方が分からなければ宝のもち腐れだな!」


「わかってるよ。でも、わからないんだから仕方ないさ。」


「なるほどな。魔法は想像力だ! ばあさんにそう習わなかったのか?」


「習ったさ。でも・・・・・・」


「お前! 怖いんだろ! 自分の魔法が制御できなかったらどうしようとか思っているんだろ!」



 図星だ。セリーヌには、僕の考えていることがすべてわかってしまっているようだ。僕はいつも全力で魔法を発動していない。にもかかわらずものすごい威力が高い。威力を抑えようと、調整しても魔力操作がうまくできないのだ。だから、周りに迷惑をかけないように、ほとんど魔力を注いでいないのだ。



「この指輪をやろう。これを嵌めれば、魔力が暴走することはない。安心して使うがいいさ。」



 その後、リリーは炎の魔法を使わず、僕も魔力の循環速度を意識して進んだ。そのため、かなりの時間はかかったが、なんとか9階層まで辿り着いた。9階層まではゴブリンだけだったが、次はいよいよ10階層だ。



「リリー。シルバー。今日はここまでだ。10階層はボス部屋だからな。少し寝て体力を戻してから、10階層に挑戦してもらうぞ!」



 僕達は魔法袋に持ってきた干し肉を食べて、少し寝ることにした。寝ている間に襲われないように、セリーヌが辺り一帯に結界を張ってくれている。そして、しばらく寝て起きると、すぐに10階層のボス部屋に行くことになった。



「このボス部屋には、ホブゴブリンとゴブリンキングがいるからな。気を付けろよ!」



 部屋に入ると、ゴブリンよりも体の大きなゴブリンと、さらに大きなゴブリンがいた。ゴブリンキングと思われる個体は大剣を、それ以外は普通の剣を持って構えていた。



「シルバー! 私、炎の魔法は使えないからね。」


「わかってるよ。」



 僕とリリーは剣を抜いて突っ込んだ。さすがはボス部屋だ。それなりに力が強い。リリーが風魔法を放つが、威力がない。正直、リリーは戦力にならない。僕はホブゴブリンを先に片付けようと魔法を放つ。



『ウォーターカッター』



 だが、威力がない。ホブゴブリン達は剣でそれを払いのけた。



「効かないよ~!」



 すると後ろからセリーヌが声をかけてきた。



「リリー! 精神を集中して、一気に魔力を解放するような感覚で魔法を使いな。シルバーは指輪の声を聞いたほうがいいな。」


「指輪の声?」



 リリーが精神を集中している。その間、僕がホブゴブリンとゴブリンキングの相手をする。僕は指輪に意識を集中させた。すると、頭の中に魔法のイメージが浮かんでくる。



『ライジングアロー』



 頭に浮かんだ魔法を唱えると、目の前にパチパチと音を立てながら電気の矢が現れた。それをホブゴブリンに放つと、ものすごい速さで飛んでいった。ホブゴブリン達は避けられない。



「ギャー」



 見事にホブゴブリンの胸や頭に刺さった。すると、後ろから大きな声が聞こえた。



「シルバー! そこをどいて!」



 リリーを見ると、黒いオーラが身体からあふれている。



『サンダー』



 すると、リリーの手から出た巨大な雷のようなものがゴブリンキングに直撃した。



「グギャ―」



 ゴブリンキングもホブゴブリンもその場で光の粒子となって消えた。そして、その場には、今までよりも大きな魔石が落ちていた。 


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