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魔王シルバーの異世界冒険  作者: バーチ君
イグドラ帝国
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いざ! イグドラ帝国へ

 ノースホワイトをイグドラ帝国から解放した僕達は、ウイリアム国王に報告した後、アスラ魔王国に戻って来た。そこで、トロルドにノースホワイトの復興の手伝いを依頼した。トロルドと入れ替わるかのように、今度はブラッドがやってきた。



「お帰りなさいませ。魔王様。」


「ありがとう。留守中に変わったことはあったか?」


「アスラ魔王国内では特にありません。」


「聖教国が召喚した勇者達の状況はどうだ?」


「はい。3人ともそれなりに力は付けております。さすがは勇者だけのことはあります。彼らは何やらイグドラ帝国に呼ばれたようですが。」



 すると、執務室の入口で控えていたゲーテが言った。



「恐らく武闘大会でしょう。毎年、イグドラ帝国では、各国から強者を集めて武闘大会を開いておりますので。」


「そうか。ところでゲーテ! その大会の優勝者はどうしているんだ?」


「はい。優勝者には爵位が与えられ、貴族として取り立てられているようです。」


「なるほどな。やはり、帝国の皇帝は世界を征服するつもりなんだろう。」


「どうなさいますか? 魔王様。」


「ああ、このまま放っておくわけにもいかないな。予定通り、帝国に行ってみるさ。」



 すると、ブラッドが言った。



「ならば、帝国内の情報を集めておきましょう。」


「頼む。」


「ハッ」



 オレは魔王城から出てトロルドの屋敷に行った。さすがに体を小さくするのが嫌なようで、トロール族の村と同じようにトロール族の屋敷は大きく作られていた。



「魔王様。明日には全員揃うように手配しました。」


「そうか。トロルドの屋敷に転移門を設置したいんだがな。」


「畏まりました。」



 僕とリリーは、トロルドの屋敷で使っていない部屋に転移門を設置した。そして、転移でノースホワイトまで行き、司令官の使っていた屋敷の庭に転移門を設置した。ノースホワイト側の転移門は誰かに見つかっても困るので、魔力が強いものでなければ見えないようにした。



「終わったわね。これからどうするの?」


「ローズおばあちゃんのところに行こうか?」


「いいわね。」



 僕とリリーがローズおばあちゃんの部屋に行くと、当然だが不在だった。そこで、ベテルギ王国内のローズおばあちゃんの家まで転移した。すると、何やら子ども達の声が聞こえてきた。



「シルバー兄ちゃんとリリー姉ちゃんは、本当に来るにゃ?」


「2人に会いたいぴょん。」


「私も会いたいコン。」



 なんか聞き覚えのある話し方だ。僕達は裏の畑に行った。そこにはミーア、キャロット、ヨーコの姿があった。



「本当にゃ! シルバー兄ちゃんとリリー姉ちゃんにゃ!」



 3人が凄い勢いで僕とリリーに駆けよってきて、思い切り抱きついてきた。



「会いたかったぴょん!」


「3人ともどうしてここにいるの?」



 すると、ローズおばあちゃんが教えてくれた。



「シルバー! あんたの転移門の魔法を使わせてもらったんだよ。」



 すると、リリーが驚いて聞いた。



「そんなことできるの?」


「リリー! 私を誰だと思ってるんだい? 堕天使族の長老だよ! そのぐらいの事、できて当たり前じゃないか!」


「でも、どうして?」


「お前達がなかなか帰ってこないからね。寂しくてね。アマゾル大陸まで飛翔していったんだよ。そこに転移門を設置してきたのさ。」


「それなら、僕に言ってくれればわざわざ飛翔していかなくてもできたのに~!」


「何言ってるんだい! シルバーもリリーもナルーシャ様に頼まれたことで忙しいのに、わしのわがままに付き合わせるなんできっこないじゃないか。」



 僕もリリーも申し訳ない気持ちになった。忙しさのあまり、ローズおばあちゃんのことが頭の中から消えていたのは事実だ。

 


「ごめんね。ローズおばあちゃん。」


「おばあちゃん。ごめんなさい。」


「謝らんでいい。お前達は立派に役目を果たしておるんじゃから。」



 その日、僕とリリーは久しぶりに獣人族3人娘達と遊んだ。夕食後、3人を家まで送り届けた後、僕とリリーもローズおばあちゃんと一緒に魔王城に戻った。そして、その2日後、僕とリリーはトロルドの屋敷に行った。



「魔王様。こちらの準備は整っています。いつでも出発できます。」


「なら、行こうか。」


「ハッ」



 女性型に変身した僕とリリーを先頭に、その後ろにトロルド、さらにその後ろからトロール族の男女100名が続く。人族からすれば恐怖だろう。巨人族が集団で現れたのだ。ノースホワイトの街は大パニックに陥った。



「巨人族だー!」


「巨人族が攻めてきたぞー!」



 僕は叫んでいる人達の前に立ち、風に載せて言った。



「僕達は魔族だよ。でも、君達の街の復興をセリウスさんに頼まれて来たのさ。安心していいよ。」



 すると、僕の声を聞きつけてセリウスとケージが兵士達を連れてやって来た。



「セリウスさん。何から手伝おうか?」


「ありがとうございます。シルバー殿。みなさん。では、早速破壊された家の解体からお願いします。」



 さすが、力持ちのトロール族達だ。家の解体が見る見るうちに進んでいく。1日で、破壊されたり、一部焼失した家屋の3割ほどの解体が終わった。解体で出るゴミは一か所に集められ、それをトロルドが魔法袋に片づけていく。そして、夕方になった。僕は空間収納からローズおばあちゃんが作った水晶の魔石を取り出した。



「これは?」


「トロルドは指輪があるからいいけど、他の者達は大きい体のままだと不便でしょ?」


「なるほど。ローズ様のお創りになった水晶ですな。ありがたい。」



 トロール族達は水晶に触れてみんな人族と同じ大きさに変化していく。人族達はその光景を不思議そうに見ていた。それから3日ほど経ち、家の解体はほぼ終了した。この時点で、すでにトロール族達は人族達と打ち解け、人気者になっていた。



「シルバー! なんか感動するわ~! 種族の垣根を超えた平和ってこういうことなのね。」


「そうだね。人族も魔族もないんだ。みんなこの世界の仲間だからね。」



 僕とリリーの隣にはテキーラとベータ、ガンマがいる。僕達がアスラ魔王国から戻ってきてから、ずっと一緒だ。



「シルバーさん。イグドラ帝国にはいつ向かいますか?」



 テキーラが聞いてきた。家族の仇を取りたい気持ちを抑えているのだろう。



「そうだね。そろそろ出かけようか。後はトロルドたちに任せて。」



 するとリリーが言った。



「いよいよ帝国なのね。なんか楽しみだわ。ゲーテも言ってたけど武闘大会もあるんでしょ?」


「リリー! 今回は出ないよ!」


「え~! なんで~? 私、出たいんだけど!」


「今回の目的は帝国内の奴隷の解放だからね。」


「わかってるわよ!」


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