初めての依頼
リリーも僕も13歳になった。冒険者ギルドに登録できる年だ。僕達は街のギルドに登録のために向かった。そこで一人の不思議な少女と出会う。彼女の名前はセリーヌだ。僕達は、ギルドで登録して早速依頼を受けることにした。
「リリー! それにするの?」
「Eランクの依頼って楽しそうなものないのよね~。」
「なら、今剥がしたのは何?」
「薬草採取よ。これなら、家に帰る途中の草原で出来そうだもんね。」
僕達は薬草採取の依頼を持って、アカネさんのところに行った。そして、ギルドを出てレストランを探す。周りの人達が僕達をじろじろ見ている。
「みんな。なんでこっちを見るのかな~?」
「シルバーって本当に自覚がないよね! みんなあなたを見てるのよ。」
「どうしてさ。」
「あなた、普通に見たらものすごく美人だからね。」
「だって、僕は男だよ。」
「そんなこと、みんなにはわからないでしょ!」
なんか複雑な気持ちだ。
「何食べるの?」
「お肉かな?」
「なら、あの店なんかどうかな?」
「そうね。オシャレね。あそこにしましょ。」
僕達が店に入ると、身分の高そうな人達やお金持ちのような人達がいた。こっちを睨んでる。僕もリリーもそんな立派な服は着ていない。でも、リリーは人目を気にせずどんどん奥に入って行った。そして、空いている席に座って待っていると、ウエイトレスの女性がメニューを持ってやってきた。メニューを見てもどんな料理かよくわからない。
「どうするの? リリー!」
「適当に頼んじゃおうか。」
僕達は財布と相談して、足りそうなメニューを注文した。しばらくして待っていると、小さな肉が少しだけ乗ったお皿とパンが運ばれてきた。
「これだけ? これじゃ足りないよ。」
僕の不用意な発言で周りの客がこっちを睨んでいる。仕方がないので、僕達はそれをあっという間に食べて店を出た。
「なれない店に入るもんじゃないわね。」
「そうだね。でも、いい経験になったよ。」
「アッハッハッ」
僕とリリーは、依頼の薬草採取をしようと街から出て草原地帯に向かった。しばらく探していたが、なかなか見つからない。3時間かかってやっと依頼分の薬草の採取が終わった。
「シルバー! まだ、時間があるから一旦ギルドに戻るわよ。」
「うん。」
僕達がギルドに戻ろうとすると、魔獣の気配がした。
「リリー! 誰かが魔獣と戦ってるみたいだよ。」
「そうね。見に行きましょうか?」
魔獣の匂いがする場所に行くと、そこにはシルバーウルフが群がっている。その中心にビキニ―アーマーの少女がいた。セリーヌだ。僕達は少し離れた場所で様子を見ることにした。
「どうする? 街で助けてもらった恩を返す? リリー!」
「あの子の実力からすれば問題ないんじゃない。余計な手出しはしないほうがいいかもね。」
セリーヌが手を前に出すと、地面のいたるところに魔法陣が現れた。シルバーウルフ達は魔法陣に構わず、四方からセリーヌに襲い掛かる。その瞬間、地面から上空に向かって何本も雷のように電流が走った。
「ワオー」
「ギャインギャイン」
辺りには生き物が焼ける匂いが漂う。20匹ほどいたシルバーウルフはすでに5匹ほどしかいない。残ったシルバーウルフ達は草原を逆方向に逃げていった。セリーヌは討伐したシルバーウルフを魔法袋に仕舞っていく。そして、僕達に気付いたのかこっちを睨んだ。
「そこにいるんだろ? 出て来いよ!」
僕とリリーは草原から出てセリーヌの前まで行った。
「お前達か! 怪我はないか?」
「見てただけだからね。」
「そうか。お前達はここで何をしていたんだ。」
僕はセリーヌに採取した薬草を見せた。
「そうか。薬草採取か。ただ、ここには魔獣が出るから気を付けた方がいいぞ!」
「ありがとう。」
僕がセリーヌと話をしていると、リリーが袖を引っ張った。
「どうしたの? リリー!」
「何でもないわよ。それより、早くギルドに戻らないと、家に帰るのが遅くなるわよ。」
「そうだね。じゃあ、セリーヌ! またね!」
僕はセリーヌに手を振ってその場から立ち去った。だが、その後ギルドに行って家に帰るまで、何故かリリーはご機嫌斜めだ。
「どうしたの? リリー! 何怒ってるの?」
「別に怒ってなんかないわよ!」
「やっぱり、怒ってるじゃん!」
「別に怒ってなんかないわよ!」
家に帰った時、すでに外は暗くなっていた。
「ただいま! おばあちゃん。」
「2人ともお帰り! 食事の用意が出来てるから、早く手を洗っておいで。」
僕とリリーは、裏の井戸で手を洗って食卓に行った。
「どうだったんじゃ?」
「冒険者ギルドで登録したよ。僕もリリーもEランクだって!」
「そうかい。普通はFランクからじゃがな。受付のアカネの判断じゃな!」
「そうよ。いつもおばあちゃんとギルドに行っていたから、私達の実力を知ってたみたい。」
「そうじゃろうな。それで、今日はなにか依頼を受けたのかい?」
僕は正直に答えた。
「薬草採取を受けたんだけど、なかなか見つからなくて時間かかっちゃったよ。」
「そうかい。じゃが、シルバーは探知系の魔法を使えるじゃろう。」
ローズおばあちゃんに言われて気が付いた。そうだ。僕はほとんどの魔法が使える。当然、探知系の魔法もだ。
「な~んだ! なら、あんなに苦労しなくても薬草採取できたんじゃない! シルバーが女の子のことばっかり見てるからよ!」
「えっ?! 僕は別に女の子なんか見てないもん。」
「そう? あのセリーヌって子と仲良さそうだったじゃない!」
リリーがセリーヌの名前を出した途端、ローズおばあちゃんの顔色が変わった。




