目標決めました
(ひとまず助かった。)
俺はその場に座り込んだ。目の前には驚きの表情をみせる咲姫がいた。
咲姫を見ていると元気が出てきた。可愛いものを見ると癒されるというのは本当らしい。
「スライムが飛び散らずに消えてくれてよかったな。飛び散ってたら二人ともスライムでヌメヌメになってただろうからな。」
「そんなことはどうでもいいよっ!ゆう君どうやって倒したの。」
お前は女なんだから少しは男の前で自分がネバネバにならなかったことに安心してくれ、と俺は思ったが咲姫には言わないでおいた。怒られそうだからな。
「説明してやる約束だったな。わかったよ、説明してやる。」
こうして俺は自分の異世界での初めての戦いを語り始めた。
「簡単に言うと、スライムの弱点は金属だったんだよ。」
「えっ、何で、何で分かったの。」
「落ち着け咲姫。まあ、分かった理由はお前の椅子の前でアイツが止まったからだよ。」
そう、それが俺がこの発想に至れた理由だ。
「アイツは俺を頭から溶かそうとしていたにも拘らず、俺が体を近づけると逃げていった。その後お前を溶かす絶好のチャンス立ったにも拘らず椅子を目の前にすると動きが止まった。そこで俺はピーンと来たわけだ。」
俺が説明していると、咲姫は大きなあくびをして、眠たそうな顔をしていた。本当に俺の話を聞く気があるのだろうかコイツは。
「俺のベルトの金具と椅子の脚の金属にスライムはビビったんじゃないか、てな。」
「へー。ゆう君って意外と頭の回転早いんだね。」
意外は余計だ、意外は。まあ、俺も結構自分の頭の回転の早さにびっくりしているところはあるんだがな。
「じゃあゆう君、私に目をつぶらせた理由って。」
「ベルトで攻撃するために外したからな。ズボンが落ちてパンツが見えるからだよ。」
俺の為でもあって、咲姫の為でもあるデリカシーに関わる問題だからな。咲姫に見せるのは恥ずかしいし、咲姫も俺のなんて見たくないだろうしな。
「ちぇ、せっかくゆう君かっこよかったのに。」
「ん、何か言ったか。」
「何でもない!それよりこれからどうするの。」
俺結構頑張ったのにそれより扱いって、何か泣きそうになってくる。
「それなんだが、地面をちょっと見てくれ。」
「ゆう君、これって。」
「ああ、多分馬の足跡だ。しかもかなり新しいやつだ。」
「じゃあこれを辿っていけば誰か人に会えるんだね。」
「多分な。」
道のりは遠いかもしれないし、途中でまたスライムみたいなモンスターに会うかもしれないなどしれない等の心配があるが、まあとうせ出来ることなんてこれくらいなんだから心配しても仕方ないだろう、と俺は自分に思い込ませた。
「それじゃあ行くか、咲姫。」
「まってゆう君。私いいこと思い付いた。」
「ん、何だ。」
「これから何かするときには目標を決めるの。」
(なるほど、それはモチベーションが上がりそうだな。)
「いいな、それ。ナイスアイデアだ。」
「だよね、いいこと思い付いたでしょ。」
「そうだな、それじゃあ初めての目標は“人に出会う”だな。」
こうして俺たちは、一歩歩き出した。