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シャドウの異世界魔王道  作者: river
魔王誕生編
3/28

絶望的な戦闘力の差

 

 自分の事はもう分かった。

 特にスキルのクソ具合が分かった。

 といっても仕方ない、めそめそした所でスキルが変わるわけでもないしね。


 とにかく、今の僕には情報が無い。

 この世界に人間はいるのか。

 僕の強さはどれくらいなのか。

 そして僕は生き残れるのか。


 まず知りたいこと、それは僕の強さである。

 強敵に会ったりしたら簡単に死んじゃうからね。

 とりあえず自分がどいつに勝ててどいつに負けるのか知りたい。


 そのためには他の生物に会うのが一番!

 というわけで現在、森を探索中!


 岩に隠れて観察する。

 そして第一魔物発見!

 しかも三匹の群れだよ。

 アレはオオカミかな?

 でもなんかおかしい。

 すごく大きい。

 僕の肩ぐらいある。

 まぁ、この世界では平均的なのかもしれないし、僕の身体が小さくなっただけかもしれないけど、やっぱり少し怖い。

 飲食店で大盛を頼んだら、想像してたよりも大盛だったみたいな感じ?

 鑑定を発動させてみる。


『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』


 ええ……

 鑑定不能ばっかりじゃん。

 レベル1だからしょうがないけど、これじゃあオオカミの強さが分からない。

 

 よし!

 せっかくだから鑑定をレベルアップしてみよう!

 オオカミに標準を合わせて……

『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』『鑑定不能』

『鑑定がレベルアップしました』


 よしよし!

 それじゃあもう一回鑑定!


『種族:ソニックウルフ LV120』『種族:ソニックウルフ LV115』『種族:ソニックウルフ Lv115』


 ……ん?

 ちょい待って。

 ソニックウルフって日本語だと音速浪?

 なにレベル120って。

 これはちょっとまずいんじゃない?

 いきなり強敵とか何たる所見殺しだよ。

 おのれ孔明だよ。


 とにかく逃げよう。

 レベル1の僕が敵う相手じゃない。

 

 コッ


 小石を蹴っちゃったよ!

 ソニックウルフを見る。

 ……あれ、いない?


 その瞬間――


 ――僕の右腕が宙に舞った(・・・・・)


 ……へ?

 なんで?

 僕の周りにはソニックウルフで囲まれていた。

 自分の右腕があった(・・・)所の断面は紅かった。

 まるで海の潮がどんどん満ちるみたいに、痛みが押し寄せる。


「っっ~~~~~~~っがぁぁぁぁああああああ!!!」

 

 いっっってぇぇぇぇ!!!

 イタイイタイいたいいたいいたい痛い痛い痛い!!!

 とにかくっ逃げる!

 にげたいにげろにげるにげなきゃにげようにげないとコロサレル!!!


 無我夢中で逃げる。

 足がもつれる。

 息が荒れる。

 視界がぼやける。

 

 走った先には崖があった。

 落ちたら即死だろう。

 そして後ろにはソニックウルフ。

 崖から落ちてペチャンコになるか、ソニックウルフの昼ご飯になるか。

 完全に詰んだ。

 ああチクショウ。

 結局こんなところで終わるのか。


 その時、ある作戦を思いついた。

 いや、作戦というにはあまりに拙い。

 力任せで、確信もない。

 というか作戦でもないかもしれない。

 戦うわけじゃないしね。


 ソニックウルフが驚いた様な顔をしている。

 はっはっは。

 ざまぁみろ。

 僕は君たちのお腹に収まらないよ。

 

 僕は崖から飛び降りた。

 

 

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