表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャドウの異世界魔王道  作者: river
霊魂の魔王編
27/28

野盗討伐

 共闘すると決まれば行動は早い。

 まずは半霊人の村まで行かないとね。

 この国『エリスト王国』は、『魔の森』によって定期的に魔物の被害を受ける。

 しかし、だからこそ冒険者たちが訪れるため、観光業なども盛んだ。

 道も整備されていて、ここまであまりデコボコは無かった。


「で?あんたたちは半霊人の村に移住するっていうの?」


 僕達に向かって、フェイが走りながら言った。

 移動手段が徒歩しかないから、皆で走ってまずは中間地点にある『モークリー』という町まで行く。

 それなりに大規模な街らしくて、警備や門番がたくさんいるけど問題ない。

 フェイ以外の全員に、スミスが作った変装指輪をはめさせてある。


 この変装指輪、外見だけでなくステータスまで偽装してくれるのだ。

 まさに至れり尽くせりな便利機能!

 と言っても、レベル八以上の鑑定だと見破られちゃうんだけどね。

 まぁ、人間で『鑑定』を持ってる人って少ないらしいし、レベルが八の人なんてまずいないそうだ。

 

 ちなみに僕の外見は、黒いコートを着た美少年・・・(ココ重要)から、黒い旅人が着てそうなボロい装束を着ている普通の少年になった。

 不細工って事も無いけど、イケメンとかでもない。

 中の上って所かな?

 別に中より少し上であることに他意は無いよ?

 客観的な視点から僕を見てだよ?


 シロネの外見は、顔だけちょっと変えた。

 美少女過ぎて目立っちゃうかもしれないしね。

 服装は白のワンピースに、黒いコートを着ている。


 ナイトは外見がめちゃ変わった。

 まず肌は浅黒くなり、茶色の瞳は紅くなった。

 短髪だけど髪も生え、ダンディーな中年おっさんになった。

 身長だけは変わらないようで、相変わらずの図体のデカさだが、それすら何故かかっこよく見える。

 これがダンディー補正か!

 服装は僕と大体同じで、スミスが新しく作った『ちょっと丈夫な剣』を背に帯刀している。

 身長は変わらないからともかく、武器は目立ちすぎる。

 だから、斧と大剣は村に着くまで封印して、自動再生と硬化だけが付与された、普通の両刃の剣を使う。

 それでもなんか歴戦の勇者っぽくて、正直うらやましい。


 で、スミスはものすごく変わった。

 元々のスミスは、百五十センチで二足歩行のカメだけで説明がつくような、不細工とかイケメン以前にカメ頭なんですけどな感じだった。

 なのに!

 人化した途端に美少年になっちまったよぉぉぉおおお!!!

 何なのこの顔面格差!

 何なのその主人公顔!

 何なのあの醜美逆転!

 これが美少年ってやつかぁぁぁあああ!!!

 いやいやいや!

 僕だって美少年ですよ?

 想像してたよりカッコ良くなって騒いでるだけで、僕の方が上ですよ?

 だから僕をそんな可哀想な目で見るなスミスゥゥゥ!

 クソッイケメンなんて爆ぜればいいんだ!

 太陽でキラキラと輝くエメラルドグリーンの髪。

 黄金に光る瞳。

 そしてクールで整った顔の造形。

 限りなく美少年じゃないですかヤダァァァァ!!!

 服装だって僕と同じなのに、なぜか輝いて見える!

 

 まぁそんな、黒と白とダンディーと美少年な四人の旅人集団って事でやっていこうと思う。

 あ、フェイも入れると五人か。

 どう見たって奇妙な奴らだけど、魔物の状態よりマシだ。

 というか魔物だったら問答無用で殺されるよ。

 殺されるのは襲ってきた方だけど。


 そんなこんなで僕達はモークリーに続く道を走っている。

 ちなみにスミスは足が遅いので、ナイトに背負わせている。


「まぁ、王都『リンベル』からはそっちの方が近いんでしょ?

 ダンジョンを手放す事になるのは寂しいけど、また作れる」


 それに人間の町にも行ってみたいしね。

 食べ物と美女が僕を待っている!


「ダンジョンってそんな簡単に作れるの?」


「うーん、一日あればイケるよ」


「一日であの家を建てるの!?」


「スキルを使えばね」


 フェイがめちゃくちゃびっくりしてる。

 建物を建てるスキルなんて見た事無いんだろう。

 スキルを奪って改造してしまう僕だからこそ、出来る事なんだろう。

 心なしかスミスがドヤ顔になってる様に見える。

 ……いや、明らかにドヤってる。

 

 スミスはナイトの様に、僕に完全服従しているワケじゃない。

 いや、忠誠心自体はマックスだけど、友達のように接してくるのだ。

 それも弄る方の友達。

 表向きはドライな性格だけど、それと同じくらい弄るのが好きなのだ。

 僕は別にそれでもいいし、スミスもナイトに怒られないように、ちゃんと線引きをしている。

 ナイトとスミスは、どっちも僕から生まれた事もあって、仲は良い。

 シロネの事も、何故か姉として慕っている。

 二人から見れば、シロネは僕の第一の配下なのだろう。

 友達だって言ってるんだけど、なんだかシロネまで(というかクロネが)乗り気になっちゃって、今じゃ僕の見ていない所で、三人(と元魔王)が名乗りの練習をしている。

 まぁ、そのうち二人は眷属だからイヤでも感じ取っちゃうんだけど、まさかシロネまで参加するとは思わなかった。


「わ、私こそは魔王アキカゲ第一の配下!

 破壊の従者シロネです!」

『元魔王クロネだよー♪』


「我こそは魔王アキカゲ様第二の配下!

 大鬼の戦士ナイトであル!」


「あー、メンドクセー。

 我こそは以下略。

 亀人の職人スミスだー」


 『「「「三人揃って魔王アキカゲ親衛隊!」」」』


 みたいな事を何回も練習しているらしい。

 スミスのやる気のなさは相変わらずだけど、それでもなんかむず痒い。

 黒歴史になりそうだ。

 ま、そんなの名乗る機会なんて……





 ……あったね。

 それも十分後に。


「おいっ、殺されたくなかったら武器を捨てろ!」


 僕達は獣道を歩いている時に、所謂野盗に襲われたのだ。

 数は十人程度、そのうち杖を持った魔法使いが三人、その他は全部剣だ。

 ステータスもスキルも平凡。

 奪う必要性すら無し。

 そして僕達に剣を向けている。

 うん、殺すか。


 僕はおもむろにリーダー格の頭を掴む。

 で、潰した。

 ぐしゃ!っと頭が潰れると、ぷにぷにとした脳が辺りにまき散らされる。

 リーダー格は即死した。


「……え?」


 野盗の誰かが声を漏らした。

 それはあまりに現実離れした光景を見た時、混乱によって思考がフリーズした時に出すような声。

 野盗たちの気持ちを代弁した声だった。


 が、そのままフリーズさせてくれるほど、僕たちは甘くない。

 フェイが自分の剣を抜く。

 ナイトの『ちょっと丈夫な剣』よりも綺麗で、多分魔法がかかった魔剣だろう。

 流れるように剣を振り、野盗たちの急所を突く。

 アキレス健、手首、目、睾丸、脊髄。

 叫び声やうめき声がその場を満たす。

 

「く、クソォ!『氷弾アイスバレット』!」


 フェイに向かって魔法が放たれる。

 普通の少女だったら、頭に氷が当たり大惨事だっただろう。

 だが、生憎フェイは普通の人じゃない。

 飛んできた野球ボールほどの氷弾を、手首を捻るだけで叩き落とした。

 そして一気に距離を詰め、斜めに切る。

 野盗から血が噴き出し、崩れ落ちた。


 他の野盗もナイトが一瞬で殺した。

 僕より魔王やってない?


「ふぅ、思ったより弱かったね」


「いや、あんな簡単に殺せるあんた達がおかしいのよ!」


 フェイがそう言うけど、フェイだって野盗を圧倒していた。

 話を聞く所によると、フェイは村の中で二番目に強いらしい。

 そりゃあ野盗に襲われる危険性があるんだから、強い奴じゃなきゃ森にたどり着く事すら出来ないかもしれない。

 そしてフェイは隠密スキル持ちだという事で、決まったらしい。


「まったく、堪ったもんじゃないわよ。

 町では皆の仇である人間に囲まれ、森でも魔物に囲まれるなんて」


 それでも行くんだから、フェイは結構責任感のある子なのかな?

 でないと、こんな大役任せられるはずがない。

 

「とにかく、もうそろそろ町に着くわ。

 いい?私たちは旅人なんだからね?」


 事前に打ち合わせした通りだ。

 そして僕たちはたどり着く。

 人間の町『モーグリー』に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ