中心部攻略(後編)
「やぁ、久しぶり」
僕はある因縁の相手と対峙していた。
『種族:ソニックウルフ LV130
体力:2000
魔力:2000
筋力:2000
防御:2000
俊敏:12000
耐性:2000
運:100
スキル
「音速移動LV9」「集団行動LV9」「隠密LV8」「嗅覚強化LV7」』
そう、僕がこの世界に来た日に右腕を奪っていった種族、ソニックウルフだ。
案の定三匹の群れで行動している。
今でもあの痛みは忘れられない。
昔の僕が見たらSAN値直葬決定だろう。
ただし、それは昔の話だ。
今は超ザコ(笑)
だってこいつら僕のステータスとほぼ同じな時点で、例えばあのゴブリンたちに負けていただろう。
三対十の時点で不利だ。
数の暴力は恐ろしい、二倍どころか三倍以上とか負け確定だよ。
ん?
そういえば僕は一対百でコウモリと戦ったような……
あまり考えないでおこう。
そもそも魔法が使えないとか、絶対に僕を倒せない。
物理は『奪取の魔気』で全部すり抜けちゃうからね。
しかも『物魔耐性』で魔法にも耐性がある。
ただしスキル攻撃だけは耐性無効なんだよね。
例えば『炎噴射』でダメージを与えると『物魔耐性』は発動しない。
あくまで物理と魔法攻撃に耐性ができるだけだ。
スキル攻撃に耐性は無いのだろう。
そんなこんなでソニックウルフは超ザコなわけである。
っつーワケで。
復讐タイムキタァァァ!!!
今回はあまり使わなかったスキルを使っていこう。
『超音波』でソニックウルフの鼓膜を全員潰す。
耳からズピャっと血が噴き出した。
もはやいじめの類だ。
だけどここは弱肉強食の世界だ。
弱い者は強い者に利用されるだけ。
ソニックウルフが弱かった。
それだけだ。
まあ、弱い方からしたら堪ったもんじゃないけどさ。
でも君たちだって僕を食べようとするんだ。
お互い様だろ?
今度は『吸血牙』でソニックウルフの一匹から血を吸い取る。
お?
おー!
『奪取の魔気』よりも体力を吸うスピードが速い!
ただし体力しか吸えなくて、吸ってる間は無防備になるからあまり使えないかも。
でも体力だけを吸いたい場合は使えそうだ。
そんな場面があるかどうかは別としてだけどね。
そのまま血を吸いまくる。
血を吸われてるソニックウルフはぴくぴくするだけで何もしない。
牙を刺させた瞬間に、麻痺のような効果があるのだろう。
残りの二匹は襲い掛かってくるが『大地ノ壁』で防御だ。
その間に血を吸われたソニックウルフはミイラのようになって死んだ。
残りは二匹だ。
次は『硬化』を使ってみよう。
実は僕が着ているこの黒い服、『奪取の魔気』を服の形にして『硬化』したものだ。
そういう意味ではあまり使ってないとは言えないけど、そもそもの意味での使用はしていないから良しとしよう。
腕を硬化して普通に殴る。
それだけでソニックウルフの頭蓋骨は砕かれ、頭の血がそこら中にまき散らされた。
正直、めちゃくちゃ臭い。
でもスカッとした!
残り一匹っと。
わお、めっちゃびくびくしてる。
そして僕に背を向けて逃げようとする。
その選択自体は間違っちゃいない。
でも僕には無意味だ。
氷結魔法『猛吹雪』で足だけを凍らせる。
命まで奪っちゃ奪取できないからね。
さ、奪取しようか。
ソニックウルフは最後の断末魔を上げて消えていった。
うん!
復讐はやっぱ清々しいね!
『奪取したスキルを個体名:アキカゲに適合させるため統合と改造をします』
『音速移動とトリックスターを統合しました』
『ソニックスターを取得しました』
『嗅覚強化と超感覚を統合しました』
『超感覚を取得しました』
『種族名:シャドウ亜種 LV260 名前:アキカゲ
体力:1305/1305
魔力:1305/1305
筋力:1300(2600)
防御:1300(2600)
俊敏:1300(13000)
耐性:1300
運:270
スキル
「鑑定LV9」「奪取の魔気LV9」「ソニックスターLV9」「物魔耐性LV9」
「虫系魔物殺しLV9」「毒、麻痺、恐怖耐性LV9」「超感覚LV9」
「大地魔法LV9」「炎噴射LV9」「硬化LV9」「集団行動LV9」
「思念伝達LV9」「超音波LV9」「吸血牙LV9」「火炎魔法LV9」
「水魔法LV9」「暴風魔法LV9」「飛行系魔物殺しLV9」「第六感LV9」
「高速魔力回復LV9」「回復魔法LV9」「雷電魔法LV9」「鉄壁LV9」
「怪力LV9」「高速体力回復LV9」「弓術LV9」「指揮LV9」
「強化魔法LV9」「召喚魔法LV9」「高速思考LV9」「威圧LV9」
『ソニックスター:基本俊敏値を十倍にし、十秒に一度、半径十メートル以内で瞬間移動できる、また一日に百秒だけ音速になれる』
今度は崖に来た。
崖というか、岩山って感じだけど。
うん。
ちょっと自分の位置を確認しようとしただけだったんだよ。
なのにさぁ……
『エンペラーグリフォン LV300
体力:5000
魔力:5000
筋力:5000
防御:5000
俊敏:10000(20000)
耐性:5000
運:500
スキル
「飛翔LV9」「火炎魔法LV9」「超俊足LV9」「平常心LV9」
「超音波LV9」「炎噴射LV9」「魔法耐性LV8」「隠密LV7」
「擬態LV6」「鋭牙LV6」「遠見LV6」「反射神経強化LV5」
「威圧LV4」「暗視LV3」「仮眠LV2」「集中LV1」』
なんだよまったく。
ちょっとは休憩させてよ。
『奪取の魔気』で体力を奪わないとやってらんないよ。
やってらんなくても、やるけどさ。
さっそくエンペラーグリフォンが火を噴いてきた。
もちろん回避。
多分『炎噴射』の火だからね。
スキルの攻撃は基本的に避けることにしている。
物魔耐性が通用しないからね。
とすると実は結構やばい?
だってエンペラーグリフォンのスキルには『超音波』『炎噴射』『威圧』がある。
そのうち『超音波』『威圧』は回避不能だ。
そして不利な理由はもう一つある。
僕は飛べないのだ。
つまり攻撃が届きにくい。
逆にエンペラーグリフォンは空中から様々な攻撃を仕掛けられる。
なんてこったい。
ステータス的に負けてるんだから、もうちょっと同じ土俵で戦えない?
え、無理?
飛べないお前が悪いって?
その通りだけどさぁ……。
うん、無理かぁ。
じゃあしょうがない。
そんなハンデなんて僕が奪ってやるよ。
暴風魔法『竜巻』。
空で飛んでいるエンペラーグリフォンの体勢を崩す。
体勢を直している中に頭以外を魔力化する。
そして足に当たる部分を『硬化』で尖らせる。
前世の人が見たら一発で分かるだろう。
そう、ロケットだ。
僕の頭が火を噴く部分。
火は『炎噴射』で何とかしよう。
息を吸って――
――ッドン!
僕は空に向かって吹き飛んだ。
「ぅぅぅぅぅぅおおおおおお!」
エンペラーグリフォンに当たった。
腹にクリティカルヒットしたみたいで、エンペラーグリフォンが苦痛の声を上げる。
そしてくちばしを掴む。
これで『炎噴射』『超音波』は封じた。
足の方で奪取する。
エンペラーグリフォンが暴れるけど、放すわけがない。
食いしばる。
ってか落とされたら落下死する?
ヤバイよ、なおさら放せないよ。
僕が手を放すのが先か。
それともエンペラーグリフォンがすべてを奪われるのが先か。
そんなことやってたらエンペラーグリフォンが『威圧』を放ってきた。
もちろん『威圧』で相殺する。
そして右手を『硬化』して殴る。
少しでも体力を削ってやる。
少し時間が経つと、エンペラーグリフォンが力を抜いた。
どうやら死んだらしい。
いや~よかったよかった。
……いや!?
良くないよ!
僕も一緒に落ちてんだけど!
エンペラーグリフォンと心中とかイヤすぎるんだけど!
いやぁぁぁぁぁ!!!
おちるぅぅぅぅぅ!!!
……あ、『飛翔』を奪取したんだった。
飛んでみる。
おー、ハングライダーみたいに滑空するって感じかな?
結構気持ちいい。
そしてすたっと着地。
うん、このスキルは使えそうかな?
『種族名:シャドウ亜種 LV300 名前:アキカゲ
体力:1505/1505
魔力:1505/1505
筋力:1500(3000)
防御:1500(3000)
俊敏:1500(15000)
耐性:1500
運:310
スキル
「鑑定LV9」「奪取の魔気LV9」「ソニックスターLV9」「物魔耐性LV9」
「虫系魔物殺しLV9」「毒、麻痺、恐怖耐性LV9」「超感覚LV9」
「大地魔法LV9」「炎噴射LV9」「硬化LV9」「集団行動LV9」
「思念伝達LV9」「超音波LV9」「吸血牙LV9」「火炎魔法LV9」
「水魔法LV9」「暴風魔法LV9」「飛行系魔物殺しLV9」「第六感LV9」
「高速魔力回復LV9」「回復魔法LV9」「雷電魔法LV9」「鉄壁LV9」
「怪力LV9」「高速体力回復LV9」「弓術LV9」「指揮LV9」
「強化魔法LV9」「召喚魔法LV9」「高速思考LV9」「威圧LV9」
「飛翔LV9」「平常心LV9」「擬態LV9」「仮眠LV9」』
シロネが攫われて一週間。
もうレベル三百まで到達した。
あのロードタイガーと並んだんだ。
そして俊敏に至っては一万を超えて一万五千だ。
そしてスキルもたくさん奪取した。
これなら『奪取の魔気』無しでもロードタイガーと戦えるかもしれない。
そして距離的にも、もう少しで最終決戦ってところだね。
それにしても、何で魔王はシロネを攫ったんだろう?
魔王は何が目的なんだ?
シロネを攫って何のメリットがあるんだ?
まさか僕をおびき寄せること?
でもなんで僕?
僕以外じゃダメ?
だったら僕があの時、目を覚ますのを待ってればよかったんじゃないの?
あの時じゃダメだったってこと?
あの時と今の違いといえば……。
僕が強くなった?
僕が強くならなきゃダメだったの?
なんで僕が強くならなきゃいけないんだよ。
あーもうめんどくさい。
とにかくシロネを取り戻す。
それだけだ。




