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異能コンビニ

 「なんだ?何が起きたんですか?」


巨漢さんに問いかけるが返事がない。

砂漠の雰囲気が一変している。頼りの巨漢さんは僕の目の前で微動だにしない。

それどころか風で舞い上がっていた砂が良く見ると空中で停止している。

どうなってるんだ、時間が止まってるのか?


 「落ち着いてください、我が子よ」


突然、声が聞こえた。というか目の前に女の子が居る。

砂漠のど真ん中で隠れる物など無い、なのに突然女の子が現れた。


中学生位の年齢だろうか?金髪でツインテールな巨乳の女の子だ。

身長が低いのに巨乳だから思わず乳デケェと呟きそうになる位にその存在を高らかに主張している。

男ならすれ違った時に思わず胸に目がいってしまうだろう。


だが、顔も巨乳に負けず劣らずで目を引く。

可憐で可愛いく、凛とした表情は僕の心に直撃する。


そんな可愛い子が砂漠のど真ん中に、全てが止まってる様な空間の中で白のワンピース一枚の姿で突然目の前に現れた。

僕はロリじゃないのになんて破壊力だ、見た瞬間思わず胸が高鳴ってしまった。


しかし、その美しさに比例するような謎な圧迫感がある。

神々しさとでも言うのか見てるだけで汗が湧き出してくるし息苦しくなる。胸が高鳴ったのは外見じゃなくてこの圧迫感の所為か?


 「我が子ですか?というか、どなたさまでしょうか?」


何だか分からないけど、なんとか落ち着いて質問できた。

そんな僕をまっすぐ見ながら金髪ツインロリ巨乳な女の子が答えた。


 「私はあなたの世界の全ての存在の母」


艶かしい唇から発せられるに相応しい凛とした声で答えた。

しかし、言ってる事は電波入ってる。

だけど、僕の今の状況は元から電波がビンビンでユンユンだ。


なので真面目に考える。

あなたの世界となると僕の世界、つまり地球の事か?

そう考えると地球の全ての存在の母って事になる。

それって神様?


 「もしかして僕の世界、地球の神様でしょうか?」


 「そうです我が子よ」


さらりと認めた。僕達の地球の神様は金髪ツインロリ巨乳だったのか。僕らの妄想を裏切らないとはさすが痴球だ、いや地球様だ。


 「でしたら事情を説明していただけると助かります。一体何が起きて、何故こんな場所に僕は落とされたんでしょうか?」


巨漢さんの説明では、天の試練とやらで僕は無作為にこの世界に落されたのかと思ったけど、神様が出向いて来てくれたって事は何か他に理由があるのか?


裏山の清掃活動をしていたら砂漠に落とされるとか理不尽にもほどがある目に遭ったけど、どうやら無事帰れそうな雰囲気かな?


 「世界生存競争」


そう楽観的に思ったのだけど、世界生存競争?

いきなり訳が分からない事を言われた。


 「その世界生存競争とは、なんでしょう?僕に何か関係があるんでしょうか?」


まあ、関係なかったらこの場で言わないから関係あるんだろうけどさ。


 「自分で考えろ」


 「はい?」


さっきまで金髪ツインロリ巨乳の自愛に満ちた母です、という雰囲気だったのにいきなりなげやりな答えが飛んできた。


 「やってらんないよー。メンドクサイー、いちいち細かい事聞かないで。私の言う事は全て”はい、わかりました”と言え。反論するな、跪け」


というか性格が変わった。逆切れとか色々な切れ方があるけど、これは何ギレなんだ?なんでいきなり切れたんだ?

理不尽を感じるが触らぬ神に祟り無しという事で、素直に跪く。

命乞いを求められなかっただけマシだな。


 「そうだそれでいい、私は分体とは言え神なのだ。それに口答えする等、恐れ多いぞ」


この金髪ツインロリ巨乳は、自称神の分体らしい。

情緒不安定気味な気がするが僕には従うしか道は無い。


 「いいか、良く聞け。今から貴様に使命を告げる」


そう言うとゴソゴソと両手で自分のワンピースを探り始めた、何をやっているんだろう?

体中を弄ってる所為で、おっぱいが右へ左へぽよんぽよんしている。更には短めのスカート部分が捲れたりで結構凄い格好を晒してるんだけど気づいてるんだろうか。


 「アレ、マニュアル ドコニ シマッタカナ」


マニュアルを探してるらしい。神(笑)か・・・・・・。

しかし、ワンピースにはポケットついてないし何処を探してるんだ?


 「アッタ、ごほん」


本を何処からか取り出して咳払いした。

見た所、何も無い所から本を取り出したけど魔法なんだろうか?


そんな僕に構わず偉そうな態度でこちらを睨んだ後、両手で本を広げ凝視しながら金髪ツインロリ巨乳が読み上げ始めた。


 「一つ、あなたは世界生存競争の為にこの世界に招かれました」


金髪ツインロリ巨乳がこちらに何かある?みたいな目線を向けてきた。

顔を向ける勢いが強すぎてツインテールがグルンと真横に靡いた。


もちろん聞きたい事はあるけど何が地雷で、いつ爆発するか分からないので大人しく跪いたままでいる。


そんな僕の姿に満足したのか目を本に戻し続きを読み上げ始めた。


 「その目的はこの世界に宿る力の回収です」


力の回収、何の事だろう?

地球で言う原油とかのエネルギーの事かな?

どちらにせよ人を巻き込まず、そっちでやってくれればいいのに。

そう不貞腐れるが態度に出さない、顔には笑顔を貼り付けておく。


 「二つ、地球に帰る方法はこの世界で死亡する事です。死亡すると地球の招かれた時に居た元の場所に戻る事が出来ます。この世界で死亡しても地球の肉体は傷つきません、時間も経過していませんのでご安心してください。」


本に向けてにっこりと笑いながら金髪ツインロリ巨乳が言った。

本にスマイルするとか何やってるんだ?

本に笑顔で読むと書いてあるのか?

どんだけマニュアル人間なんだ、人間じゃないけどさ。


それはそれとして吉報じゃないか、この言葉を信じるならこの世界で死ぬと帰宅中の裏山に戻れるって事だよね?


しかし、死ななきゃ帰れないのか。生き返るとしても当たり前だが死にたくない、しかし死なないと帰れない。

どうしようもない矛盾が生じる、どうしたものか。


 「三つ、回収した力のポイントに応じて元の世界に帰る時に特典を授けます。以上が招き人三大マニュアルです、担当する者は招き人と友好な関係を作り上げ、我が世界の安定に寄与する事を期待します」


僕が葛藤してるのよそに、金髪ツインロリ巨乳は本を読み終えたようだ。


ドヤ!って感じでこちらを見ているが、読まなくて良い所も読んでたろ。

あからさまに読まなくて良い所を読んだだろ。

さっきから感じてたがアホの子っぽいぞ、この金髪ツインロリ巨乳。


 「何か質問は有りますか?」


また本に視線を戻し睨みつけるように凝視しながら読み上げた。


質問が有るか?と聞いてるのに僕の方をまったく見ず眼中に無いって感じだ。

この金髪ツインロリ巨乳は僕に説明してくれる為に来たんじゃないのか?

さっきからやってる事が子供っぽすぎだろ。


 「世界生存競争ってなんですか?」


僕が質問したら金髪ツインロリ巨乳が、ギロっとこちらを睨んだ。


やばい可愛い。さすが神の分体を名乗るだけある・・・・・・って、そうじゃなくて。

こいつ本に書いてあるから読み上げただけで質問に答える気が無いぞ!


僕が心の中で、そう結論を出したら金髪ツインロリ巨乳が持っている本を、僕に放り投げてきた。


 「めんどうだから自分で読んで」


それで良いのか・・・・・・責任感皆無だな。

この自称世界全ての母の分体の金髪ツインロリ巨乳アホの子は何なんだ?

てか長いよ、どんだけ属性持ってるんだよ。


そんな事を思うが、とりあえず今は放り投げられた本を読んでみよう。

落ちてる真っ黒の本を手に取りページをめくる。読めるかなと思ったが日本語で書いてあった。うん、この辺りは実にフレンドリーだ。


そして読み進める。

要約すると世界生存競争とは世界の母である神(本体)には、ライバルが居て負けると地球どころか僕の世界の宇宙が消滅するらしい。


その世界生存競争で有利に事を進める為に、他の世界から力を回収する使命を託されたのが僕って事らしい。


これに書いてある事が本当なら、重要って言葉では片付かないくらいに酷く重要な案件じゃないか。

負けたら宇宙ごと無くなるってどんなレベルの話だよ。


だけどそうなると、何故僕を招いたのかって疑問が来る。


 「なぜ僕が選ばれたんでしょう?」


僕より優秀な人間は地球上にごまんと居る筈だ、こんな重要な事なら人選も完璧にするべきだ。

それとも、僕に何か凄い秘められた才能が有るのだろうか?


 「君を選んだ事に特に理由なんて無いわよ」


僕の希望はあっさりと否定された。

そして気づいたら神(笑)がいつのまにか寝転んでゴロゴロしている。

自由過ぎるだろ!

こっちは訳の分からない事を必死に理解しようとしてるのに、なんで砂漠の上をゴロゴロしてるんだよ。


動かないから忘れてたけど巨漢さんは、まだ止まったままで鎮座してる。

その止まってる巨漢さんの下までゴロゴロ転がって遊んでる神(笑)が居る。

何を考えてるんだ、この金髪ツインロリ巨乳は。

だが、気にしていても仕方ないので話を進めよう。


 「僕たちの世界、宇宙の滅亡が掛かってるなら、もっと凄い人を招いた方が良いんじゃないでしょうか?」


ゴロゴロしてる姿を見ていると小動物的な癒しがあるな。

可愛いという事は万難を排してしまうのか。


 「人海戦術でやってるわよー。だから別に君一人が選ばれた訳じゃないのーよー。他にも居るわーすぐ死ぬけどねー」


間延びした声で酷い事を言われた。

そりゃこんな風に放り出されたら死ぬわ。

僕も巨漢さんが居なければ大サソリに殺されるところだった。


もう少し大切にしてくれても良いんじゃないか?

宇宙の命運がかかってるだろ?

いくら人海戦術で出来るからって手心は加えて欲しい。


そういえば巨漢さんが天の試練とか言ってたけど、それって神(本体)の所為なのか?

だとしたら酷いな、国が滅んだとか言ってたんだけど。

いや、物も落ちて来るって言ってたな。

物は神(本体)と関係なさそうだし。だとすれば、この世界がそういう干渉を受けやすい世界って事なのか?


 「もう良いでしょう?はい終わり終わり」


ゴロゴロするのは止めて、すくっと立ち上がった。


しかし、こいつ適当すぎだろ。これ本当に宇宙の運命が掛かってるのか?


 「では、これで終了です。がんばってこの世界に宿る力を回収してね、バイバイ~」


もう帰るのかちゃうのか。

説明に来てくれただけ親切だと考えるべきか。

だけど説明だけで手助け無しは辛い。

ここ砂漠なんですけど?放置されたら僕は死ぬぜ?

だけど、今までの言動から考えるに何を言っても無駄っぽいので諦めよう。


死んだら地球に帰れるらしいし最悪我慢しよう、悪い夢だったと。

騙されていたとしても死ぬ事が条件だからどうにもならない。

なら前向きに楽観的に死を受け入れよう。

最後は安らかにってね。

と言っても、巨漢さんが居るから多分砂漠からは脱出出来るだろう。


 「・・・・・・」

 「・・・・・・」


そう思ったけど神(笑)が帰らない。

最後まで適当でグダグダな奴だな。


 「あれ、どうやって帰るんだろう?」


神(笑)は帰り方が分からないらしい。

どう突っ込めばいいんだ?

どんだけ駄目な子なんだ、アホってレベルを超えてるぞ。

こんな子が地球の神だと名乗ってる事実に戦慄するわ。


そんな事を思っていたら、金髪ツインロリ巨乳のあほ子がまた両手で体をゴソゴソと探りはじめた。

うん、頭があれだけど、顔と発育はすこぶるよろしいな。

僕がポヨンポヨン動くものを眺めていると、また何も無い所から本を取り出した。


 「えっとー。これか、フムフム・・・・・・」


顎に手を当ていかにも分かってますみたいなジェスチャーだけど今までの行動を見ると信用出来ない。


 「あーそっか、そういえばそうだった」


納得したようでポンと手を叩いてこちらに笑顔を向けた。

初めて見る満面の笑顔だ、今までの事を忘れてその可愛さに僕も笑顔になってしまう。

僕はこんなに女の子に弱い人間じゃない筈なのに・・・・・・。


 「わたしはガケコ=イアース=アーチュ。好きに呼んでいいよ、君のパートナーだ」


僕にウィンクしながら金髪ツインロリ巨乳の自称|神(笑)の分体のアホの子がそう言った。

さっぱり意味が分からない。

今の状況で分かるのは事は一つだけ。

可愛いは正義である、それが神の真理だ。


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