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港
飛び交う怒声。
人と人が押し押され、ぶつかり、倒れる。
混乱は、もう誰にも止められないほど広がっていた。
検問を突破した数台のバイクが、港の奥へと消えていく。
追いかけるように、何人かが、検問を抜ける。
それに紛れて、港へと足を踏み入れた。
――
西の空は黄から赤へ、暗い色を帯びていく。
夕日に照らされた港を、奥へと進んでいた。
「どこにいやがんだ。」
周りは立ち並ぶ倉庫。
件のサラリーマンはおろか、先に行ったバウターたちも見かけない。
あの黒いワゴンも、犯人を捜索してるであろう警官たちもいない。
検問を突破されて追いかけてくる気配もなった。
いくつかの倉庫を覗いてみても、人っ子一人いない。
――無人。無音。
時々、カラスの鳴き声が聞こえるだけ。
「どうなってんだ…。」
(見当違いの方に来ちまったのか?)
どうしたものかと考えていると、
「――――――!!」
人のものとは思えない怒号が鼓膜を揺らす。
足は、反射的に音の方へ走り出していた。
――
(この中か……)
倉庫の入口に足を踏み入れた瞬間――
ドガァンッ!!
「――っ!」
左からの轟音に、反射的に身を伏せた。




