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ギルド嬢は、こっそりヒミツを暴きたい!  作者: 田古 みゆう


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5-21

「ようは、頑張りすぎたってことだ。こいつは寝かしておけばいい」


 ジャックスは、背からセリオを降ろすと縁側に転がした。


「それよりも、あっちの介抱が先だ」


 タームに侵された被害者が次々と運び込まれてきた。


「水薬は? それから、セリオはアタシに水魔法と風魔法をかけてくれたらしいの。どういう魔法かはよくわからないけど、セリオと同じことをすれば」

「水魔法までは、あいつがやった。風魔法は……。ああ、体を乾かすってことか」


 ジャックスはタニアの言わんとしていることを把握した。あの場を離れることを優先してそのまま被害者を運んできたが、確かに濡れたままでは、さらに体調悪化を招きそうである。

 ジャックスは風魔法が使える者に、被害者を乾かすように指示する。


「タニア。俺は、少しここを離れる。被害者と、それからあいつを頼めるか?」


 ジャックスの視線は、縁側で力無く転がるセリオに向けられていた。

 タニアは、ジャックスを不安げに見つめる。

 ジャックスは、安心させるようにタニアの頭を一撫でした。


「大丈夫だ。すぐ戻る。今回の首謀者を捕まえたからな。傭兵ギルドに引き渡してくる」


 タニアの顔は未だに不安に彩られている。それでも、タニアは自分に出来ることをしようと、固く頷いた。

 ジャックスは、そんなタニアの頭をもう一度撫でると、すぐに傭兵を伴って「香草亭」を後にした。


 後に残されたタニアは、捜索に協力した冒険者たちの手を借りて、甲斐甲斐しく被害者たちの介抱に当たる。


 タームの影響が濃いのだろう。被害者たちの意識はそう簡単には戻らなかった。

 それでもタニアはセリオの言葉を信じて、煮出したハーブを彼らの口に少しずつ流し込む。

 血の巡りを少しでも良くしようと、彼らの体を根気よく摩る。

 ささやかだが、精一杯の介抱をする。


 被害者同様、セリオもいっこうに目覚める気配はなかった。


 冒険者に聞いたところ、魔力枯渇というのは、いわゆる極限の疲労状態のようなものらしい。

 改善するには、魔力回復薬を飲むか、ただひたすらに魔力が自然に回復するのを待つしかないようだ。


 それならばと、「魔力回復薬を分けて欲しい」とタニアは冒険者に頼み込んだのだが、その願いは聞いてもらえなかった。


 なんでも、魔力回復薬には魔力の相性のようなものがあるそうで、薬だからと安易に服用できるものではないらしかった。


 タニアに出来ることは、ただ見守ることだけ。

 タニアはまた、自分の非力さに唇を噛んだ。

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