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セリオが森で行方不明者の救助にあたっていた頃、タニアは言われた通りに解毒作用のあるハーブをありったけ煮出していた。
毒素排出効果のあるダンデポポの根。発汗を促すネルの葉。利尿作用のあるゴーボの花。他にも、毒消し効果のあるハーブを思いつく限り。
「香草亭」は、煮出されたそれらの匂いでむせ返るほど強烈な匂いが充満していた。
そんな中、タニアは不安を抑え込むように、必死で鍋をかき回す。
皆は大丈夫だろうか?
セリオはちゃんと戻ってくるのだろうか?
タニアは鍋をかき混ぜながら、必死に祈った。
(お願い! 早く戻ってきて)
タニアが煮出し作業を始めてから、かなりの時間が経った。鍋はもう十分に煮出されている。
タニアは必死に自分に出来ることをする。ありったけの毛布を出したり、体を拭くためのお湯を沸かしたり。
そうこうしていると、にわかに庭先が騒がしくなった。慌てて顔を出すと、庭先に息せき切った様子のジャックスが立っていた。その肩は大きく上下している。そして、ジャックスの背にはセリオの姿が。彼はぐったりとして、なんの反応も見せない。
タニアは、そんなセリオを見て顔を青ざめさせた。
「セリオ!」
開け放していた縁側から飛び降り、ジャックスたちのもとへ駆け寄る。セリオは酷い顔色だった。そして、その体はとても熱かった。
タニアは不安げに、ジャックスを見上げる。ジャックスは、そんなタニアを安心させるように一つ頷いた。
「こいつは、まぁ大丈夫だろう。ちょっと魔力枯渇を起こしているだけだ」
「魔力枯渇?」




