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アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?  作者: 田古 みゆう


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4-16

 結局、タニアの勢いに押される形で、セリオに同行することが決まった。セリオは納得がいかないようで、何度もジャックスに食い下がったが、一度決めたジャックスは頑なだった。


 セリオは不満そうにタニアを見た。その目は、タニアの言動に振り回された自分に対しての苛立ちを隠そうともしていなかった。


 タニアは、そんなセリオを気にも止めず、やる気満々といった様子で「よしっ」と気合を入れていた。本当は、森へ行くことを躊躇う気持ちはまだある。だが、それ以上にセリオに対する対抗心と、正義感がタニアを突き動かしていた。


「それじゃあ、すぐに出発しよう」


 タニアが有無を言わさぬ勢いで言う。しかし、それをジャックスが諌めた。


「まぁ待て、セリオにも支度があるだろう」


 確かに、セリオの身なりは森の中へ捜索に行くにはそぐわない様相だ。


「それもそうね。どれくらいで準備できそう?」


 タニアの問いに、セリオは少し考えるような仕草を見せてから言った。


「今夜。またここへ来る」


 それだけ言うと、セリオは無造作に荷物を掴み、そのままギルドを出て行ってしまった。


 タニアはてっきり「すぐにでも行ける」と強気な返事が返ってくるものだと思っていたので、肩透かしを食らった気分だった。


「何よ。アレ。何にそんなに時間がかかるのかしら?」


 タニアの独り言のような疑問に、ジャックスは至極冷静な様子で、腕組みをして言った。


「あいつだけなら、すぐにでも任務に取り掛かっただろう。だけど、タニア。お前も一緒に行くことになった。だから、あいつはお前を守れるよう、万全の装備を整える時間が必要になったんだろう」


 タニアは、ジャックスの言葉を聞いてハッとした。そして自分の浅はかさを恥じた。自分の自尊心を保つためにとった行動が、足を引っ張っている。そのことに気づいたからだ。


 しかし、それと同時に、セリオが自分のことをちゃんと考えてくれていたことに嬉しさを感じた。


(何よ……ちょっといいヤツじゃん)


 タニアは、セリオに対する印象をほんの少しだけ改めた。

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