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アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?  作者: 田古 みゆう


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秘密ギルドは、お休み処!?(8)

 そして、自分の考えを話し出した。


「じゃあさ、女性や子どもを相手にするのは、どうかな?」

「どういうことだ?」

「だって、おしゃべりするのは、男の人だけじゃないでしょ。女性も子どもだって、おしゃべりはする。むしろ、噂話なんてオバサンたちの方がよくしているじゃない? だから、そういう人たちが集まる場所を作るの!」


 タニアは真剣な表情を浮かべている。その目はしっかりとジャックスを捉えていた。そんなタニアにつられ、ジャックスもつい真剣な表情になる。


 確かに、情報を得られる対象は男だけとは限らない。だが、世の中の女性が諜報活動の役に立つような情報を持っているだろうか。そこまで考えたジャックスの脳裏には、不意に妻のミーナの顔が浮かぶ。


 ミーナは、出かけた先々でいろいろな話のタネを拾ってくる。それを、家であれこれと私的な意見を交えながら、ジャックスに話して聞かせるのだ。それは、女性ならではの視点から語られるものも多い。


 そのことに思い至ったジャックスは、タニアの言うことにも一理あるかもしれないと納得する。男の視点が欲しければ、街の酒場へ潜入すればいいのだ。ジャックスは腕組みをして少し思案顔になる。


 しばらく考え込んでいたジャックスは、やがてゆっくりと頷いた。そんなジャックスに、タニアは目を輝かせる。自分の案に賛成されたことがよほど嬉しいのだろう。声がワントーン上がる。


「じゃあさ、ハーブティーとクッキーを出す所はどうかな? お茶とお菓子があれば、みんなの会話も弾むと思うの」


 タニアはジャックスのそばをサッと離れると、朝摘んだばかりのハーブの入ったカゴを頭上に掲げた。


「なるほど。スイーツ店か」


 ジャックスは再び腕を組み考え込んだ。


 街の中央広場を抜けた先にある『スイート・ミッション』というスイーツ店は、いつ行っても女性客のおしゃべりで溢れかえっている。お茶とお菓子が人々の口を軽くしているのは確かだろう。


 しかし、街には既に人気店があるのだ。わざわざ街外れのタニアのもとへやってくる者が果たしているだろうか。


 ジャックスの眉間のシワに気がついたのか、タニアが慌て始める。


「待って待って。スイーツ店なんてそんな大層なものじゃないの。そんな店、アタシにはできっこないから」


 ジャックスはゆっくりと顎を撫でながら、タニアの話を聞く。


「アタシが考えているのは、ただ軽くお茶を飲んで、お菓子を少しつまめる休憩所みたいな感じのところ」

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