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アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?  作者: 田古 みゆう


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秘密ギルドは、お休み処!?(4)

 街外れということもあり、広々とした敷地をたっぷりと使った平家造りのその家には、よく見れば窓がなかった。正確に言えば、明かり取り用の細長い天窓は天井に2つ付いている。だが、それ以外窓らしいものはない。


 ぐるりと壁を見渡してみても、ジャックスが立っている場所に引き戸が1つあるだけ。完全に四方を壁に囲まれている。しかし、天井が高いからか、室内は息苦しさや狭苦しさは感じない。見たことのない造りの家だった。


 四方を囲われているから人目を避けるには、適しているように思える。ジャックスは思わずタニアに尋ねた。


「なぁ、おい。この家、窓はないのか?」


 タニアはキョトンとした表情を浮かべた。


「窓なら、天井に」

「そうじゃなくて。この家は、街中の建物と造りが違うと言うか……。まるで人目を避けるように作られているようだ。隠密行動を強いられるお前のギルドにはうってつけの建物だが、お前が、食堂や酒場をやろうってんなら、この閉鎖空間はかえって危険だ。呑んだくれたちは何をしでかすかわかったもんじゃないぞ」


 まるで娘を心配するようなジャックスの口ぶりに、タニアは驚いたような顔をした。だが、すぐにニッと笑って両手を広げた。


「大丈夫、大丈夫。この家、どちらかと言うと、開放的だから」


 まるで悪戯っ子のような笑顔を見せたタニアは、近くの壁に手をかけた。そして、グッと押す。すると、ギギィィィ……という音を立てながら壁が横滑りに動き始めた。


 予想外の仕掛けにジャックスの目は釘付けになる。そんなジャックスを気にも留めず、タニアは次々と壁を動かしていく。あっという間に、一辺の壁が取り払われた。


 目の前には、広くはないがしっかりと手入れされた家庭菜園が広がっている。ジャックスは言葉を失ったまま、呆然と家の外を見ている。そんなジャックスを見て、タニアは楽しげに笑った。


「ね? 開放的でしょ?」


 タニアの言葉に、ジャックスは困惑気味にうなずく。


「ああ。こんな家は、この王都じゃ見たことがない」


 ジャックスの言葉に、タニアは満足そうに頷いた。


「でしょ? 普段は一人だからしっかり板戸を閉めているんだけど、こうやって開ければ、外から中の様子もよく見えるし、悪い奴が来てもすぐにわかるでしょ?」


 ジャックスは顎をなでながら、改めて感心する。タニアが言った通り、これなら中の様子は丸わかり。何か異変があっても、助けを求めやすいし、逃げ出すことも容易いかもしれない。

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