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アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?  作者: 田古 みゆう


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秘密ギルドは、お休み処!?(1)

 翌日。ジャックスがタニア宅を訪れると、彼女は庭先で何やら草を摘んでいた。タニアは、ジャックスの姿に気づくと慌てて駆け寄ってくる。


 その様子を見て、ジャックスは娘を見守る父親の気持ちをほんの少し理解した。そして、駆け寄ってきたタニアに声をかける。


「よぉ。早起きだな」

「そぉ? いつもこんなものだよ。ハーブは朝摘みが一番いいってノルダばぁちゃんに教えてもらったの」


 そう言ってタニアは、ジャックスに摘んだばかりらしいハーブを見せる。それは、小さな白い花をつけた草だった。


 ジャックスはその草を見て首を傾げる。それがハーブなのか何なのか、ジャックスにはわからなかった。そこら辺に生えていそうな草、その程度の認識だ。


「そうか」


 ジャックスの微妙な反応に、タニアは不満げな声を上げた。


「もぉ、反応うっす。もうちょっと会話を広げる努力をしてよ。そんなんじゃ、女の子にモテないよ。オジサン」


 タニアの辛辣な物言いにジャックスは苦笑するしかない。


「別にモテなくていい。俺には妻と娘がいるからな」


 ジャックスの言葉にタニアは目を見開いた。


「え~。オジサン、結婚してるの? 堅物そうだから、てっきり独り身だと思ってた。ごめんごめん」


 率直すぎる物言いだが、タニアの素直さにジャックスは逆に好感を持った。


「いや、気にするな。よく言われることだ」


 タニアはパァッと明るい笑顔を見せる。そして、遠慮なく口を開いた。


「それで、今日はどうしたの? まさか、昨日の仕事の話はなかったことにしてとか、そういう話? 言っとくけど、アタシ、もうやる気だからね! いろいろと考えてることだってあるんだから」


 力強く宣言するタニアを見て、ジャックスは小さく笑った。


「大丈夫だ。お前の就業手続きは問題なく進んでいる」


 ジャックスの言葉にタニアは、ホッと息を吐く。


「アタシにはもうこの道しかないから、やっぱりダメって言われたらどうしようって、正直ちょっと不安だったの。でも、大丈夫ならよかった」


 タニアは胸をなでおろす。その様子を見てジャックスは頬を緩めた。


 ハキハキと物怖じしない性格のタニアだが、まだ十五歳なのだ。本来なら見習い学校を出たばかりの頼りない年頃である。だが、タニアはそんな年齢に似合わず、しっかりとした考えを持っている。


 ジャックスはそんな彼女を好ましく思う。そして、同時にこの少女をとんでもない道に引き込んでしまったかもしれないことに、少しの罪悪感を覚えていた。

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