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アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?  作者: 田古 みゆう


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13/31

アタシ、ギルド嬢になる!(13)

「離してよ! もうオジサンの話なんて聞かないっ!」


 タニアは顔を真っ赤にさせて怒鳴る。だが、ジャックスはそんな彼女の怒りなど気にも留めない。


「まぁ落ち着けって。俺はギルド拠点についても相談を受けている。お前の家は今回の拠点に適していると判断したから、この話を持ち掛けた」

「え?」


 ジャックスの思わぬ言葉にタニアは暴れるのをやめた。そして、心底驚いたように目をパチパチさせる。


「どういうこと?」


 ジャックスはもったいぶったように咳払いをしてから口を開いた。


「お前の家は街から外れているんだろ?」

「……そうだけど」

「今回はそういうところを探していたんだ」

「どうして? ギルドって人が多く集まる場所にあった方がいいんじゃないの?」

「普通はな。だが、このギルドは違う」


 タニアは訳が分からないと眉をひそめる。ジャックスは、そんなタニアの反応を予想していたかのように笑みを浮かべた。そして少し声を低くして、ようやく核心に触れる。


「このギルドは諜報専門のギルドになる。だから人が集まるような場所ではなく、むしろ人の目に触れないような場所に拠点を構えた方がいいんだ」

「諜報?」


 タニアはジャックスの言葉を反芻する。そして、その意味を理解して顔を青ざめさせた。


「それって……スパイってこと?」

「そうだ」


 恐る恐る問うタニアに、ジャックスも真剣な表情で答える。その答えを聞いてタニアは絶句するしかなかった。そして、しばらく沈黙が続いた後、ようやく口を開いた彼女は震える声で呟く。


「そ、そんなところでアタシ働くの?」


 タニアは怯えたようにキョロキョロと辺りを見回した。その様子を見たジャックスは苦笑する。


「別に諜報活動に参加しろと言っているわけじゃない。タニアは普通に受付業務をしてくれればいい」

「そ、そっか」


 ジャックスの言葉にタニアは安堵のため息を漏らした。


「だが……そこがギルドの拠点であることは周囲に悟られたくない」

「なるほど。諜報員の人たちはアタシの家に訪ねてきた風を装うってことね」

「まぁ、そういうことだな」


 タニアは少し考えた後、決意の込もった声で宣言した。


「わかった! ウチ使っていいよ」


 その強い眼差しにジャックスは一瞬面食らった後、豪快な笑い声を上げた。そして、タニアの頭をガシガシと撫でる。


「お前、肝が据わってるな。俺はそういう奴は嫌いじゃないぞ」

「ちょっと! 髪が乱れる!」


 文句を言いながらも、タニアはどこか嬉しそうだった。

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