王都コンビニ、開店準備は地獄
“ツナマヨ裁判”から三日後。
ユウトは王都の広場の片隅で、途方に暮れていた。
目の前には、木の板とレンガと魔道具の山。
王が「ここに神の店を建てよ」と命じたのだ。
つまり――異世界初のコンビニ支店の建設である。
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ユウト「いや、無理だろ。俺、大工でも建築士でもないからね?」
リゼリア「心配いりません! すでに“職人ギルド”と“魔法建築団”に依頼済みです!」
その言葉通り、そこには屈強なドワーフたちが数十人。
さらに、魔法で浮かぶ資材を操るローブ姿のエルフたちまでいる。
ドワーフ親方「おう、これが噂の神の店か?!」
ユウト「ええまあ……日本のフランチャイズっていうか……」
ドワーフ親方「フラン茶……? うまそうだな!」
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作業は始まった。
だが――異世界の常識は、何もかも違う。
魔法建築団「壁を召喚します!」
ユウト「召喚って!?」
→ ドンッ! 光の中からいきなり壁が出現。位置ズレ30cm。
ドワーフ親方「おう、看板つけといたぞ!」
ユウト「“LAW-SOM”って書いてあるんですけど!? ローソンじゃないの!?」
ドワーフ親方「綴りは気にすんな、こっちじゃ発音できねぇんだ!」
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昼休憩、汗だくのユウトにリゼリアが麦茶を差し出す。
「ふふっ、王都では“神の茶”として人気が出てますよ」
「ただの麦茶なんだけどな……」
二人で笑うひととき。
だが、その背後では黒いローブの影がひそかに動いていた。
???「……王都に“異界の拠点”が建つか。放ってはおけぬな」
その声の主――宰相ゼムナ。
彼の目には、薄暗い魔法陣の光が宿っていた。
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夕暮れ、ようやく建物が形になった。
看板には輝く文字。
> 【MIDNIGHT MART 王都支店】
ユウト「……なんか、マジでできちゃったな」
リゼリア「もちろんです! 明日、盛大な開店式を行います!」
ユウト「開店式……? またなんか波乱の予感しかしないんだけど」
リゼリアは笑顔で言った。
「ツナマヨの神は、試練を乗り越えるのです!」
ユウト「俺、もうバイトじゃなくて宗教の代表みたいになってない!?」




