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名の覚醒の翌日、ツナマヨは平和だった

――翌朝。

Midnight Mart 王都支店。

いつも通りの白い照明。

いつも通りの棚。

いつも通りのツナマヨ山積み。

ユウトはレジ前で、虚ろな目をしていた。

ユウト

「……昨日、世界救った気がするんだけど……」

リゼリアはいつもの凛とした表情で、品出しをしている。

金色のマントは今日はきっちり畳まれ、動きは無駄がない。

リゼリア

「気のせいです。

 今日はツナマヨ補充が三箱あります」

ユウト

「え、そこスルー!?」

アリシア王女はというと、

なぜか三角巾をつけ、腕組みしながらツナマヨ棚を睨んでいた。

アリシア

「……昨日の戦いを経て、我は悟った」

ユウト

「嫌な予感しかしない」

アリシア

「ツナマヨとは――奥深い」

リゼリア

「王女陛下、それは食べ物です」

その時、異世界客第一号が来店。

――全身鎧の騎士。

騎士

「ツナマヨ教団本部は……ここで合っているか?」

ユウト

「できてない!!

 まだ正式な宗教じゃない!!」

アリシア

「ほう……教団、とな?」

ユウト

「王女様その目やめて!?

 昨日のは事故だから!!」

リゼリア

「……ユウト殿。

 昨日の“名の光”、目撃者は百名を超えています」

ユウト

「え」

リゼリア

「すでに

 『名を叫び、影を退けしツナマヨの守護者』

 という異名が広まりつつあります」

ユウト

「盛られてる!!

 ツナマヨ関係ない!!」

奥のバックヤード。

ユウトは床に座り込んでいた。

ユウト

「名の王とか…覚醒とか…

 もう勘弁してほしい……」

すると、昨日現れた

氷のような白髪の謎の人物が、

いつの間にか自動ドア横に立っていた。

???

「安心しろ」

ユウト

「うわああああ出た!!

 普通に入店すんな!!」

???

「今日は見に来ただけだ」

ユウト

「怖さが倍増してるんですけど!!」

その人物は棚のツナマヨを一つ取り、眺める。

???

「……なるほど。

 これが“力の源”か」

ユウト

「違う!!

 完全に違う!!」

リゼリア

「その方、身分を名乗りなさい」

???

「名乗るほどの者ではない。

 ただ――」

彼はユウトを見る。

???

「次に“名前を奪いに来る者”は、

 王より厄介だ」

ユウト

「え、日常回じゃないの!?」

???

「だから今日は来ない」

ユウト

「そういう予告いらない!!」

その直後。

アリシア王女の声が店内に響く。

アリシア

「ユウト殿!!

 ツナマヨが売り切れました!!」

ユウト

「平和終了!!」

リゼリア

「補充します。

 ……王女陛下、箱を逆に開けないでください」

アリシア

「これも修行である!」

騎士

「ツナマヨ様に感謝を……」

ユウト

「誰かこの世界止めて!!」

白髪の人物は、静かに笑った。

???

「――いい名だ、ユウト」

自動ドアが閉まる。

いつも通りで、

いつも通りじゃない。

Midnight Mart 王都支店は、

今日も平和(?)に営業中だった。

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