信者の陰謀と素材の謎編
深夜のMidnight Mart 王都支店。
ツナマヨ祭りの興奮も落ち着き、店内には新メニュー「クリスタルツナマヨおにぎり」の香ばしい匂いが漂っていた。
王女アリシアは金色マントを揺らしながら、鍋の素材をチェックしている。
「ふふ、今日も順調でする」
ユウトはレジに立ちつつ、異世界客の注文をさばく。
スライム型客やドラゴン型客は、新メニューに夢中だ。
リゼリアはいつものように店内を巡回し、微かな違和感を探る。
「……やはり、何かある気がする」
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店内の隅で、数人のツナマヨ信者がひそひそ話している。
「クリスタル豆の力を使えば……計画は順調だ」
「まだ王女もユウトも気づいていないな」
ユウトはその会話には気づかず、笑顔で客に応対する。
鍋の中のクリスタル豆が、ほんの一瞬だけ光を強めた。
王女アリシアは気づかず笑顔で混ぜ続ける。
リゼリアはそれを横目で見て、軽く眉をひそめる。
「……ただの偶然ではないかもしれぬ」
ユウトはただの材料だと思っていたが、店内の空気が少し変わった気がした。
注文を受けるユウトの手元に、信者の一人がこっそり封筒を置く。
中身は見えないが、何かの指示書らしい。
ユウトは気づかずおにぎりを渡す。
王女アリシアも、にこやかに客を見守る。
だが、リゼリアは封筒を一瞥し、口元に手を当てて小さく呟いた。
「……まったく、油断も隙もない」
異世界店内は平和に見えるが、ほんの少しずつ、何かが動き出していた。
「クリスタルツナマヨおにぎり」は好評で、客たちは喜んで食べている。
ユウトは胸を撫で下ろしつつも、心の片隅で違和感を覚える。
王女アリシアは笑顔で言う。
「皆の笑顔が見られればそれで良いのだ」
リゼリアは小さくため息をつく。
「……次は、何が起こるやもしれぬ」
Midnight Mart 王都支店――
表面は平和だが、信者たちの陰謀と、素材の不思議な力が静かに蠢き始めていた。




