イキモノガカリ
初投稿です。
今まで完全に読み専でしたが、自分も面白い物語を投稿してみたい欲に駆られてしまいました。
文章はそれ程得意ではありませんが、宜しくお願い致します。
最低でも二日に一回は更新していきたいと思っています。
…。
気が付くと、辺り一面には草原が広がっている。
「ここは、どこだ…?」
自分が何故こんな場所で眠っていたのか、まるで分からない。
先程まで自分の部屋で眠っていたはずだが…。
立ち上がり周囲を見回すが、穏やかな風が吹くのみで人工物や人の気配が無い。
更に言えば生き物の気配も無い。
「コニチハ。」
背後からの唐突な挨拶。
俺は突然の事に驚き、身構えてしまう。
振り返ると、そこは20代程のスーツを着た温和な雰囲気を漂わせた男性が立っていた。恐らく自分と同世代くらいだろうか。
そして男性が口を開く。
「コニチハ。」
再度の挨拶。
状況にそぐわない男性の態度に正直混乱している。俺は何故ここで眠っていて、ここは一体どこなのか。その他にも疑問が浮かび上がるが、取り乱しても何にもならない。
ここは、一旦深呼吸。
少しだけ冷静になることが出来たので、その男と話をしてみる事にした。
「こんにちは。」
先ず基本は挨拶から。
挨拶は社会人の基本だ。これが出来るかどうかで第一印象が随分違ってくる。
そして少しでも状況を把握する為、質問を始める。
「ここはどこですか?
気が付いたらこの場所にいて、状況が全く分からないのですが…。」
と、男に問いを投げかける。
そうすると、男はまるで歓迎しているかのような態度で答える。
「イラシャイマセ。大五郎サン。
ワタシがコナ場所にアナタをお呼びマシマシタ。
アナタにオネガイがアルデス。」
この場所に呼ばれた…?
そんな事あるわけが無いと言いたいが、周りには何も無く突然このような場所に連れて来られている現状を考ればあり得ないと切って捨てる事は出来ない。
お願いと言うからには、当然何かしら俺にやって欲しい事があるのだろう。
何をやらされるのかは全く不明だが、知らない事には判断も出来ない。
ここは少しでも情報が欲しい。更に質問してみよう。
「そのお願いとは? 俺は帰れるんですか?」
「お願いトイウノハ…。」
男は周囲を見回しながら言う。
「アナタノ感性に従って、生物をウミダシ文化をムッチャ発展サセテ欲しいデス。
ア、帰リタケレバスグ帰レマス。」
胡散臭い外人みたいな喋り方だな。所々日本語間違えてるし。
生物を生み出し文化を発展させる。当然自分にそんな力は一切無い。とういう事は何かしらのサポートや力を授けるみたいなイベントがあるのだろうか。
そして重要な事だが、帰りたいなら帰してくれるわけだ。
とりあえず帰れる事が分かりほっとする。
それならばもう少し詳しい話を聞いてみたい。
「俺に神の真似事をしろと言う事ですか? 普通の人間なのでそのような力はありませんが。」
「イイエ。神の真似事チガイマース!」
大仰に両手を開いて驚いた顔をする男。
リアクション芸人かよ…。
「言うナレバ、イキモノガカリ デース!」
「……は?」
最後までお読み頂き有難うございます。
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