#9
「いやあぁぁぁぁぁぁ!!」
アトラスの悲鳴が後ろから聞こえる。
『アタシ達はこの美しい地球を守る守護神なのよ』
不意にアトラスの言葉が再生される。
(そうだ、私達は守護神なんだ! 守るんだ! この地球を!)
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
諦めかけた時に再生されたアトラスの言葉に、再び闘志が湧いたイブキは背面の腰帯からのブースト出力を上げる。そしてそのまま隕石に直接手首のエネルギー放射口を当てる。
「私は諦めない! グレンが戻って来るまで絶対に!」
彼女の警告アラームは強くなっていく。それでもイブキは諦めない。強い意志が機体の限界を超え、彼女のエネルギー出力が更に上がる。
「イブキちゃん・・・・・・・・・頑張って! 女の意地を見せなさい!! グレンちゃんはもうすぐ来るわ!」
地球の為に自身が壊れるのも顧みず奮闘する彼女の姿に心を打たれたアトラスは、現存するアンドロイドはイブキβとグレンβの二体しか残っていない事を今の彼女には伏せる事にした。そして、自分が唯一出来る応援を精一杯行う事を決めた。
アトラスの声援も受けて、イブキの出力はどんどん上がっていく。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ・・・・・・・・・っ!?」
咆哮を上げて隕石の分解を続けるイブキ。だが、途中で両腕が爆発し、砕け散った。
「イブキちゃん!! もうおしまいよぉーーーーーー!!」
警告を無視して出力を上げ続けた結果、腕部でエネルギーが暴発し、そのまま崩壊を起こしたのだ。腕部の爆発の反動により、地球の方へ吹き飛ばされるイブキ。これから起きる隕石の衝突に目を固く瞑るアトラス。
(腕が・・・・・・・・・ごめん・・・・・・グレン・・・・・・私、ここまでみたい・・・・・・・・・)
「イブキーーーーーーーーーーー!!」
(・・・・・・・・・グレン?)
酷い砂嵐の中でイブキは声のする方を向く。そこにはもの凄い勢いで自分の方に突っ込んでくるグレンの姿があった。
「・・・・・・・・・グレン!」
グレンはα区域からγ区域を最大出力のブーストで周り、勢いを殺さずにβ区域まで戻って来たのだった。
そして、グレンはイブキの横を通り抜け、流星の如く隕石に突っ込む。
「あとは俺に任せろーーーーーーー!!」




