#4
「・・・・・・たかが27%じゃ無理だ! 73%は失敗するって事だろ! それにリスクが高すぎる。俺達も無事じゃ済まないぞ!」
そんなイブキにグレンは至極当然な事を返す。たった10gの物体でも衝突すれば、1tの車に時速100kmで衝突されるのと同等の威力をもらう事になる。しかし、この隕石の質量はその何千倍、いやそれ以上もある。あまりにも無謀過ぎる提案を否定する。
だが、イブキも負けじと強い口調でグレンに言い返す。
「さっきまで10%も無かったのよ!? そんな絶望的な状況で27%に成功率が跳ね上がっただけでも凄い事なのよ! やってみなくちゃ分からないじゃない! それとも、グレンにはこれ以上の成功率を出す方法を打ち出せるの!?」
イブキは激しい身振り手振りでグレンに訴えかける。長く結った一束の銀髪が、無重力空間でゆらりと揺れた。
「それに、無事じゃ済まないのは分かってる。でもこれは私達にしか出来ない任務なのよ」
「・・・・・・・・・悪い。はぁ・・・・・・分かった、イブキの案で決定する」
イブキに言い返され、ぐうの音も出なかったグレンは反論を諦めた。溜め息をつきながら、金髪を掻き上げる素振りをして彼女の案に乗る事にした。
「・・・・・・・・・・・・」
その二体のやり取りを見ていたアトラスは、何か思う事があったのか複雑そうな表情を浮かべて黙っていた。
「イブキα、グレンα、イブキγ、グレンγ、応答願います! こちらイブキβ! 至急応答願います!」
『・・・・・・・・・・・・』
イブキは他機体に緊急要請を出すが、何故か通信が繋がらない。その様子にグレンも苛立ち始めていた。
「くっそ、何で誰も応答しないんだ!」
「・・・・・・・・・あのね、グレンちゃん」
アトラスが重い口調でグレンに話し掛ける。しかし、グレンはアトラスの言葉にすら、
「うっせーな! 今話しかけるな! 時間がねぇんだよ!」
焦りなのか苛立ちなのか、強い口調で彼を閉口させる。
「・・・・・・・・・ダメ、繋がらないわ! グレン、私はこれから本部に問い合わせてみる。グレンは他区域のイブキ・グレン達のところに直接向かって招集を掛けてほしい! もし途中で通信が返って来ても良いように、通信はONにしておいて!」
他機体に繰り返し通信を試みていたイブキは、いつまでも繋がらない通信に見切りをつけ、本部から他機体に緊急要請を出してもらうとグレンに伝える。




