復讐の始まり。
「さあ、早いとこジンと聖剣を見つけて
報酬をたんまりいただこうや。」
「そうだな。
報酬が貰えなきゃこんな後味の悪い仕事
割りに合わねえよ。」
「間違いなくこの林に
隠れているはずだからよく探せ。」
3人の騎士は周りを見回しながら
は林道を走って行く。
「あいつら・・・、
自分達の報酬の為に村の皆んなを
売ったのか・・・、
許せねえ・・・。
何もかも許せねえ・・・。」
怒りが沸々と、湧き上がってくる。
通り過ぎようとする
3人の前に、怒り任せに思わすジンは
飛び出した。
「え!?ジン!!」
3人はジンの存在に気づく。
「おい、話は聞かせてもらった。
お前らが村を売った事も、
聖剣を探している事も、
俺を殺そうとしてる事も、
全部聞こえた。」
3人は動揺していたが、
1人がずっと剣を抜く。
「悪いな、ジン。
これも全て俺たちの愛する家族を
幸せに食べさせてやる為だ。
悪いとは思うが、
その背中にかけている聖剣を渡して、
大人しく死んでくれ。」
抜かれた剣をジンへ向ける。
それを見た2人も剣を抜く。
「ジン・・・、悪いな。」
「悪いな、だと?
自分達の幸せのために
あんな虐殺を、起こしておいて、
悪いな、だけだと?」
ジンの怒りは頂点に達する。
「お前ら、絶対に許さない。
ここで俺がお前らが幸せになる前に
殺してやる!!!
お前らの家族は!!
おれと同じように!!
家族を失う苦しみを
あじわえばいい!!!!」
ジンの気迫に
三人はたじろぐ。
ジンは背中にかかっている聖剣を手に持つ。
そして、力一杯聖剣を鞘から引き抜く。
が、
抜けない。
聖剣は、鞘から全く抜けようとしない。
まるで鞘と一体化しているかのように、
全く抜けない。
「なっ!?えっ!?」
ぐっ!ぐっ!と何度抜こうとしようが
全く抜けない。
ジンの気迫にびびっていた3人は
安堵し、笑う。
「ははは、ジン。
お前には聖剣を抜く資格がないんだとよ。」
「家族や仲間を失って
さらに聖剣と運からも見放されちまったか。」
「残念だがここで死んでくれ。」
3人は剣が使えないとわかった途端、
強気にジンに襲いかかった。
「くそ、剣が抜けないのなら
このままでもかまわないさ!!」
ジンは鞘に収まったままの聖剣をかまえた。
「うらー!死ねーーー!!」
1人が勢いよく剣を振りかぶり
襲って来た。
しかしジンは軽くかわす。
続け様にジンを襲い続ける騎士。
しかしジンは見事な足し捌きで
剣撃を上手くかわす。
さらに鞘に収まった聖剣でも
攻撃を弾く。
「な、なんだと!?
なぜあたらない!?
お前らも早くやれ!!」
「お、おう!」
残りの2人もジンに斬りかかる。
しかし3人で囲もうとも
ジンはギリギリ全てかわし、
剣でいなす。
完全に三人とジンのレベルが違っていた。
「お前ら三人相手にするより、
村長一人の方がずっと強いぞ!!」
ガンッ!ガンッ!ガンッ!
ジンは剣を素早く三振し、
騎士達の剣を弾く。
騎士達が持っていた剣は
くるくるくると飛んで、
グサっと地面に突き刺さる。
「そ、そんなバカな!?」
騎士達はジンとの実力の差を感じ
狼狽えだす。
「悪いが、お前らはここで死んでもらう。
仇をとると、みんなに誓ったからな。」
「ちょっ、ちょっと待ってくれジン!!
悪かった、ほんと悪かった!!
グレイゴルのやつに仄めかされただけなんだ!
本当に悪かった!!
だから頼む、許してくれ・・・!」
しかし、
ジンは無言のまま、
膝をつき、謝る騎士を鞘に収まったままの聖剣で
殴りつけた。
ガゴーン!!
と騎士のメットと鞘が弾き、
鈍い音が響く。
殴られた騎士は
首が横に伸びるように吹き飛ぶ。
そのままの勢いで倒れ、動かない。
それを見たもう1人の騎士が動揺して
転ぶ。
「う、うわぁ、た、たすけて、
助けてくれ!!」
ジンはその騎士の元へ歩いて向かう。
逃げようとする騎士は
腰が抜けてしまったのか
上手く走れず、逃げられない。
歩きながら近寄るジン。
「あぁ・・・ごめんなさい、、、
ごめんなさい、、、。」
目を瞑り、頭をジンに向けて下げ
膝をつき謝り続ける騎士。
それを上からジンが見下す。
「おまえは、私利私欲のために
殺さなくて良い人達を
殺したんだ。
頭を下げただけで許されるのか?」
「うぐぐ・・・。」
騎士は何も言い返せない。
「あの世で皆んなに謝ってこい。」
「うわーーー!!!いやだーーー!!!」
震える足で騎士は必死に
逃げようとした。
ガゴーン!!
メットと、鞘が激しくぶつかる音が響く。
脳に強い衝撃が走る。
頭を強く打たれた騎士は
横に吹き飛び、倒れた。
「最後はお前だな。」
ガクガクガク・・・
「あぁ・・・いやだ・・・」
3バカ騎士の最後の1人は、
木にもたれかかって動けない。
2人が殺されるところを見て、
恐ろしすぎて、
失禁していた。