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グラディウス•ヒストリア  作者: もんざぶ
7/60

黒幕

第一章 始まり

村と共に火葬された

村長やベルさん、それに

村の皆んなに見送られ、ジンは歩き出す。


「かならず皆んなの仇を打つよ・・・。


 そして、囚われている皆んなと

 ジルを助け出す。


 必ず!」



ジンは復讐の火を絶やすことなく

胸に秘め込んだ。


一歩一歩、歩き出したジンが向かう先は


「商業都市 プレイセル]だ。


商人達の流通の拠点となっており

様々な商品がプレイセルに集まり、

プレイセルから発信される。


その中でも特に盛んに行われているのが


人身販売。

いわゆる奴隷の売買だ。


貴族や富豪達に奴隷は様々な用途で使われる。


過重労働はもちろんのこと、

人としての扱いではなく、

物としての扱いを受ける奴隷達。


そして貴族や富豪達にとって

最大の娯楽である奴隷達の殺し合い。


コロシアムで行われるそれは

自分達の所有する奴隷達を戦わせ、

賭博を行い、莫大な金が動く興行になっている。


そしてそのコロシアムは

幾人もの奴隷の戦士

剣闘士(グラディエーター)が倒れ

命尽きる事から、


[剣闘士の墓場](グラディオラセメタリー)と呼ばれる。



ジンは、そこに連れて行かれた

村人達、そしてジルがいると考え、

プレイセルを目指した。


「ここからだと歩いて3日はかかるな。


 しかも盗賊に見つからないように

 行かなければ・・・。」



ジンは平野の道を歩いて行く事をやめ、

近道となる林道を行く事にした。


林道なら追っ手から隠れる場所が

すぐ見つかる。

平野をまわっていくよりも

林道の方が直線で早く着く。


だが、林道には

獣ならまだしも、魔獣が潜むリスクがあった。



ジンは林道を歩き進め、

小川を、見つける。


その美しい小川には

木漏れ日が差し込み

小鳥が水浴びを楽しみ

風にのって木々の葉っぱが

踊るようにざわめいている。


あの盗賊団の襲撃が

嘘のように穏やかな場所だ。


ジンは小川の水を飲み

少し休憩をしてから歩き出す。



「ん、なにか、こっちにくる。」


ジンは草むらに姿を隠す。



ドドドドドドドド、


3匹の馬に跨った騎士達の姿が見えた。


「あ、あれわ・・・。」


ジンの目には意外な3人が目に入る。

その3人とは、ジンの村に居た

3バカトリオの騎士だ。


「なぁおい。ほんとにあんな村に聖剣なんて

 あったのかよ。」


「知らねえよ!!見たことなんて無いし、

 聞くまでその存在すら知らなかったんだから。」


「はぁ、おれ、あの村好きだったから・・・、

 胸がいてえよ・・・。」


ジンは3人を見て驚く。


「あの3人、無事だったのか・・・、


 確か盗賊の襲撃を知ってプレイセルの

 騎士団に応援を頼みに早馬を出したはずだ。


 残ったのは2人は村で戦っていたもんだと

 思っていたが、どうゆうことだ・・・。」


ジンは身をひそめ、

3人の会話を聞く。


「多分、聖剣を持って逃げたのはジンだ。」

「そうだろうな。死体は村には無かった。」

「ジンの事だ。隠れながらプレイセルに向かうから

 この林道を通ると思うんだけどな。」


「あいつら、村にいたのか?


 それに、死体を確認したって、

 どういう事だ。

 それに俺を探しているのか?」


ジンは混乱する。


「はぁー、ジンのことだって

 なんだかんだ嫌いじゃ無いんだよ俺は・・・。」


「俺もそうさ。村人達はこんな俺たちにも

 やさしくしてくれてたもんな。」


「それなのに、領主の命令とはいえ、

 盗賊団を雇って村を襲撃させるための

 手引きをしなきゃならないなんて・・・。」


ジンは会話を聞いて

怒りがこみあげた。


「あ、あいつらが村に盗賊団を

 呼んだ・・・だと!?」


三人の会話は続く。


「にしても早く聖剣を見つけなきゃ。」

「そうだなぁ。みつけなければ

 報酬はなしってアントニオ伯に脅されたしなぁ。」

「じゃあ、ジンを見つけたら、

 やっぱり殺らなきゃなのか?」


「あぁ。殺して奪うんだ。

 事情を知るジンは生かしておかない。」



ジンは会話をきいて愕然とした。


村の襲撃の黒幕は、


プレイセルの領主、


グレイゴル・アントニオ

だという事を知る。


そのグレイゴルが

聖剣欲しさに、村を襲わせたのだ。

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